インタプリタかなくぎ流

“Might come in handy one day.”

オーバーツーリズム

先日、所用で東京は銀座に行く機会があり、帰りにユニクロでセーターを買おうと思ってGINZA SIXの前にある旗艦店に立ち寄ってみたら、ものすごい数のお客さんでごった返していました。エスカレーターにもエレベーターにも長蛇の列ができており、それに対応する店員さんも半ば「キレ気味」の興奮状態。というわけで、買い物はあきらめて早々に退散しました。

もとより人の多い場所が苦手なので、銀座などという場所にも久しぶりに行きましたが、相変わらず外国人観光客のみなさんが目立ちます。往来で聞こえてくる言語も多種多様ですが、やはり中国語が多いみたい。というか、自分が聞き取れるから多く感じるというバイアスが掛かっているのだとは思いますが。

すでに縮みゆく国である日本によく来てくださるなあと嬉しく思う一方で、いやこれは日本で買うほうが安いからなんじゃないのか、それにいつまでもこんな状態が続くとは限らない(特に来年の巨大スポーツイベントが終わったあとは)などとついネガティブなことを思ってしまいます。

……と、昨日はこんな映像ニュースに接しました。チェコの首都プラハで、地元の人々の生活に悪影響を及ぼすほどの「オーバーツーリズム(観光公害)」が問題になっているという話題です。

jp.reuters.com

「オーバーツーリズム」という言葉は、初めて知りました。なるほど、そういえば今夏訪れたエストニアの首都・タリンの旧市街も、まさにこういう感じでした。中心部の広場周辺は、あきらかに街のキャパシティを超えた数の観光客で騒然としていて(それでも雨天だったので少なめだったのかもしれません)、レストランや各種のお店も完全に観光客向け仕様。こういった観光地には近づかないのが信条の自分だったのに、なぜここに来てしまったのか……と激しく後悔しました。

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でもその一方で、私だってその殺到する観光客のひとりであり、上記の映像ニュースでも触れられている「Airbnb(エアビーアンドビー)」などを通した民泊もしょっちゅう利用しているので、なんだか後ろめたい気持ちになりました。そりゃ地元の方々にしてみれば、とても心穏やかに毎日を過ごすことはできないですよね。昨年京都へ行ったときも、タクシーの運転手さんが「正直、ちょっと行き過ぎだと思いますわ」と観光客のあまりの多さに地元住民は疲れ切っている……といったような愚痴をこぼしていましたし。

有名な観光地にぜひ一度行ってみたい、みんなが「いい!」という場所を自分もぜひ訪れてみたい、という人々の願望は消えることはないと思います。でも有名な観光地って、往々にしてそれまで写真や映像なんかでさんざん触れていた光景を確認して「ああ、これこれ」と満足するだけのことも多いんですよね。私はもうトシなので、そういうタイプの旅行はやらない(というか人混みが苦手なのでできない)ようにしよう、と思ったのでした。