インタプリタかなくぎ流

いつか役に立つことがあるかもしれません。

情報に振り回されず英語を学びたい

年初に「今年は英語を重点的にテコ入れしてみよう」と思い立って、いろいろな学習メニューを日々の暮らしのルーティンに組み込んできました。といってもいわゆるスキマ時間をできるだけ活用するという程度の工夫ですが。もともと早起きでしたが、それをもう少し早めて、早朝のジムの利用を30分ほど前倒しにし、そうやって浮いた時間をオンライン英会話にあてています。

3ヶ月ほどいろいろ調整してきて、ようやくメニューが習慣化できてきたので、しばらくこの調子で続けてみようと思っています。オンライン英会話のCamblyは、ここのところずっとengooのニュース教材を使っています。日本のDMMが作っている教材ですが、世界中にいるCamblyの講師はいまのところ全員が「engoo? 知ってる。よくレッスンで使ってる」と手慣れた様子。定評のある教材なんですね。なのに無料で利用させてもらえるなんて、ほんとうにありがたいです。

Camblyはたまに講師から「ドタキャン」をくらってがっかりしたり、ローテンションで取り付く島がなかったりと、講師によって「当たり外れ」が大きいですが、おおむねみなさん熱心に教えてくださって、楽しいです。個人的な感想では「外れ」は全体の10%くらいといったところでしょうか。身も蓋もない言い方ですが、どんな語学学校や語学教室に通っても、講師の「歩留まり」はそんなもの(ひどい言い方でごめんなさい。でも学校によってはもっとひどいところもあります)だと思います。

オンライン英会話以外には、以前からやっているDuolingoとその他いくつかの語学アプリを主に通勤時間に使っています。あとはQuizletに作っている単語帳で語彙を増やすのと、オンライン授業の予習をするくらい。Camblyはすべてのレッスンが自動で録画されるので、本当は授業後にビデオを見返して復習もすればいいんですけど、ちょっとそこまで手が回っていません。

それにしても、以前にも書いたことがありますが、世の中にあふれる英語の教材の豊富で多種多様なことといったら。本当によりどりみどりで、しかも数多の英語の達人が書籍で、ブログで、YouTubeで、SNSで、学習のコツや教材の選び方からやや怪しげな精神論まで発信されていて、ものすごい量の情報があふれています。

それだけ世の中に、英語をなんとかして使えるようになりたいと思っている方があふれているということですよね。でも口幅ったいことを申し上げるようですが、そういった情報にあまり触れすぎるのは、かえって自分自身が混乱するもとではないかと私は思います。

そうした情報は「どれもそこそこ正しい」のです。どれも正しいがゆえに、ああコレもできていない、アレもできていないと自分を責めてしまったり、逆にアレもコレも全部やろうとして挫折してしまったりしがちです。よく病気の情報をネットで検索するなといいますよね。「ネガティブになるだけ」だから。あれと似ているような気がします。


▲真造圭伍『悪性リンパ腫で入院した時のこと』(短編集『センチメンタル無反応』)

思い返せば、自分がかつて中国語を学び始めた頃は、参考書のたぐいも今と比べればとても少なかったですし、YouTubeSNSなんてものもまだ存在していませんでした。それでも自分なりにコレとコレだけはやろうと決め、コレはと思った学校の先生のアドバイスに従いつつ学び続けてここまで来たのです。自分なりの学び方を見つけてきたというか、見つけてこざるを得なかったというか。いま中国語を学ぼうとされている方は、周囲にあふれかえる学習指南の多さにたじろがれているんじゃないかとお察しいたします。

でも語学は、どんな学習方法を選んだとしても、結局は地道な努力と反復の末に少しずつ少しずつ身についてくるものです。もちろん方法によっては多少の効果の出かたの差みたいなものはあるかもしれませんけど、長いスパンで見ればむしろ、どれだけ自分自身がトライアンドエラーを繰り返したかと、あきらめずに細々とでも学習を続けてこられたかどうかにかかっているように思います。

その意味ではオンライン英会話、おすすめです。なにせトライアンドエラー・エラー・エラーみたいな場ですから……おっと、自分もついうっかり他人を混乱させるような学習指南を行ってしまっていました。エラソーな物言いはこのあたりでやめて、また自分自身の学習に戻ります。

そういや、先日生まれて始めて受けたTOEICは680点でした。リスニングが380点、リーディングが300点。この回の平均スコアは624.7点だったそうですから、私はごくごく平均的なレベルということかしら。スコアが伸びていけばきっと励みになると思うので、今後も定期的に受けてみようと思っています。