インタプリタかなくぎ流

いつか役に立つことがあるかもしれません。

巨神兵のコルク

今週は自分の誕生日が来るので、デパ地下でワインを買いました。ソバーキュリアスという言葉に出会ってお酒をほぼ飲まなくなった私ですが、別に禁酒しているわけではないのです。というわけで、誕生日とか結婚記念日とか何かの節目には飲むのです。

ピノ・ノワールのワインを買おうと思ってお店に入りましたが、このワインは完全に「ジャケ買い」です。紙版画で描かれたようなキャラクターがおもしろいなと思ったのと、“No added sulphites(亜硫酸塩無添加)”で“Unfiltered(無濾過)”だとラベルに書かれていたのもいいなと思って*1

www.fourthwavewine.com.au

レジに持っていったら、お決まりの「ご自宅用ですか」「いいえ」のやり取りのあと(日本でワインを買うとなぜか必ずこう聞かれます)、レジの女性が「私もこのワイン、好きなんです」と言って、おもむろにコルクを取り出して見せてくれました。表面にはあのキャラクターが焼印で描かれています。そして意外なことを言われました。

レジの女性:これ、巨神兵です。
私:えっ、あのラピュタの?
レジの女性:ウソです。

そこで、お互い「わはははっ」と大笑いしました。レジにいたもうひとりの女性も一緒に笑っていました。そして「どうぞお楽しみください」と言いながら、ワインを手渡してくれました。デパ地下から地下鉄の駅まで歩く間、なんて楽しい接客なんだろうと、ずいぶん長い間余韻に浸っていました。たぶんあのレジの店員さんは、ご自分のお仕事が大好きなんでしょうね。

*1:デザインしたのは“Denomination Design”という会社で、同社のインスタグラムには“The name Wild Folk was inspired by the wild yeast fermentation and the eclectic nature of these natural wines. Smile-inducing graphics take the intimidation out of buying a wine that’s a little out of the ordinary.”という説明が書かれていました。