インタプリタかなくぎ流

いつか役に立つことがあるかもしれません。

デマに加担しそうになった自分

昨日の朝、東京都心のJRダイヤが大幅に乱れました。私は早朝から都心に出ていたので巻き込まれませんでしたが、同僚の一部は影響を受けたようすで、職場のチャットに「少々遅れます」「線路内に立ち入りがあったらしい」などの情報が飛び交っていました。

どういう状況になっているのかとTwitterで確かめました。Twitterはすでに降りてしまって、自分から日本語でつぶやくことはありませんが、もうひとつフィンランド語の読解と作文のためのアカウントを残してあり、そこで遅延情報の検索をかけてみたのです。リアルタイムでつぶやいている方が多いので、遅延情報はTwitterがいちばんあてになります。

ところが昨日の朝は、外国人の男女二人が線路内に立ち入り、JR職員と「鬼ごっこ」をしているとか、酔っ払ってキスをしているとか、そんな情報が大量に流れていました。それに怒りの声を上げている人も大量に。私はそれを読んで、すでに出勤してきていた同僚に伝えようと思ったのですが、忙しかったこともあって思いとどまりました。

思いとどまってよかった。それらはデマだったからです。

www.huffingtonpost.jp

この記事にもありますが、昨日のTwitterのタイムラインには怒りの声とともに外国人排斥に類する暴言も大量につぶやかれていました。留学生に刃を向けているものも。職業柄これは看過できません。私が同僚への「拡散」を思いとどまったのは、そこにも理由がありました。

こうしたデマが容易に拡散し、しかも外国籍の人々に刃が向くのが恐ろしいと思います。関東大震災時のあの、朝鮮人虐殺事件からメンタリティはいっこうに変わっていないではないですか。

Twitterではほとんどの人々が匿名で、何気なくデマ拡散に協力し、自らも火に油を注いでいました。そうした危険性についてはこれまでに何度も指摘されてきていて、自分もそれを十分にわかっていたつもりなのに(だから「降りた」のです)、今回はそれを同僚に口頭で拡散しようとしてしまった自分がいた。

結果的には拡散に加担はしなかったけれど、ものすごく大きな反省になりました。やはり私のような人間は、Twitterには近づかないのが吉のようです。