中国版Instagramと称される“小紅書(RED)”が講談社の『FRaU』オンラインで紹介されていました。この記事では主にSNS的な側面からの紹介になっていますが、実際には「『インスタグラム』と『アマゾン』が一緒になったようなアプリ」なんだそうです。なるほど、インフルエンサーの発信とEコマースを結びつけたわけですね。確かに、SNSでの話題を見て、そこからAmazonなどのサイトに移り、注文という段階をひとつ減らせば、それだけ消費者に「ポチらせやすい」ということになるのかもしれません。
私はもうSNS自体にあまり感心がなくなってきているので、利用するつもりはまったくないのですが、上掲の記事で興味深いと思ったのは、この“小紅書”をいち早く利用し始めた日本の方々が「中国、なんかキテる!」「かっこいい!」とおっしゃっていることです。
例えば、ファッションアイコンでいえば、韓国は“ポップ”だと思うし、中国は“クール”だと思いますね
嫌中や嫌韓を唱える、いわゆる「ネトウヨ」などと呼ばれる人々や一部の政治家などを尻目に、中国や韓国などの文化にそれぞれのよさを見つけて楽しんでいる人たちはこれまでにもたくさんいました。さらにここにきて、K-POPなどが牽引する韓国のカルチャーが「ポップ」というのはまだしも、中国が「クール」という評がお若い方々からするっと出てくることに、あらためて時代がどんどん変わっているなと思います。
正直に申し上げて私は、自分がこれまで関わってきた中国という存在について、特にその政治や経済やビジネスのさまざまな側面については、愛憎相半ばするものがあります。でもそれはそれとして、親しい友人や知人もいるし、文化も楽しんでいます。けっして中国はこう、中国だからこう、と雑駁に括って語れるものではありません。
そうやって、個々人が中国との接点を見つけ、実際に見聞きし学んで、自分なりの評を作っていけばいいのです。単純素朴な嫌中を唱える人々の言動を観察していると、あれは単に引っ込み思案でシャイなだけなんじゃないかーーそんなことを以前このブログに書いたことを思い出しました。それに比べて、自分の感覚に照らして「中国は“クール”だと思う」みたいに素直におっしゃっているの、いいなあと思いました。
蛇足ながら、最初にこの“小紅書”という名前を見たとき、私は一瞬「えっ、なぜいま『毛主席語録』?」と思っちゃいました。“紅宝書”に「空目」したんですね。イタすぎます*1。