インタプリタかなくぎ流

いつか役に立つことがあるかもしれません。

公衆電話

きのうの夕刻、新宿駅に向かう地下道で、見知らぬおじさんから「このへんに公衆電話はありませんか?」と聞かれました。私はどこに公衆電話があるのかまったく思いつくことができず、「ごめんなさい」と言って別れたのですが、いかに自分が公衆電話というものの存在をまったく意識しないで暮らすようになっているのか……と思いました。

携帯電話がこれだけ普及する以前は、暮らしのなかに「この街ならあの辺に公衆電話があったかな」という感覚があったはず。それがまったく意識の端にも上らなくなるくらい、世の中が変わったんですね。かつてはどこの駅にもあった「伝言板」なども、もはや理解するのも難しいシステムでしょう。聞くところによると、災害時などに活用する余地はあるため、いまでも公衆電話はある程度残されているそうです。

それを思い出して、おじさんと別れてからスマートフォンGoogleマップで「新宿 公衆電話」と検索をかけてみたのですが、これがまったくヒットしませんでした。次善の検索結果として「公衆便所」や「公衆トイレ」ばかりがマッピングされて出てきます。Googleマップの世界では、もはや公衆電話という存在自体が「ガン無視」されているのか……と、ここで気がつきました。そもそもスマートフォンで検索できる人が、公衆電話を探すはずはないのです。

頭が悪すぎる自分に、新宿の路上でひとり頭を抱えました。