インタプリタかなくぎ流

いつか役に立つことがあるかもしれません。

cakesが終了と聞いて

クリエイターと出版社、そして読者をつなぐというコンセプトの「cakes(ケイクス)」がサービスを終了するそうです。cakesには好きな連載記事もいくつかあって、私も一時は課金していたこともありました。書籍化されて買った本もけっこうあります。ただここ数年は更新直後に無料で読ませていただくばっかりで、あまり熱心かつ忠実なユーザではありませんでした。
cakes.mu
おそらくそんなユーザが多かったのでしょう、有料コンテンツで持続的な事業を作り出すのは難しいのだなと改めて思いました。無料記事が多ければそれだけSNSなどで拡散する可能性も高まりますが、それが利益に結びつくかどうかは「微妙」ですし、全部有料にしてしまうとこのコンテンツ過剰な時代では一定規模の読者数や会員数を保つことは難しくなります。

かつて翻訳者の仲間のみなさん(とはいえネットでのみつながっていて、実際にお目にかかった方は少なかったです)とC-Pop(中国語圏のポップミュージック)をテーマにしたメルマガを作っていたことがありました。K-Pop全盛の現代ではちょっと想像しにくいのですが、当時は中国語圏、特に香港や台湾のアーティストが日本でも注目され初めていたのです。でもこれも、最終的には課金する事業を構想しながらも、結局は日本におけるC-Popの流行が退潮に傾くのと軌を一にするように立ち消えになってしまいました。

その後も私は個人でC-Popのブログなど作っていた時期もありましたが、これもやめてしまいました。あのときの記事はどこへ行ったかしら。ブログを閉じるときに文章をエクスポートしたかどうかも記憶が曖昧です。けっこうたくさん記事を書いていたはずなんですけど。

そういえばcakesの記事はエクスポートができないそうです。これは、寄稿されていた方々にとってはかなり困るのではないかとお察しします。自分がいま記事を書いているこのはてなブログは、エクスポートが簡単です。記事のレイアウトや写真やイラストなどは残りませんが、テキストだけは保存しておくことができます。

自分の文章など他人にはほとんど何の価値もないですけど、少なくとも自分ひとりの記録としては残しておきたいと思います。文章を書いている時は、なぜか普段の自分の思考からは思いもよらなかった考えが湧き出すものですし、その後ふたたび同じように書くことが必ずしも容易ではない思考が現れることがあるので、あとから読み返すと「こんなこと考えていたのか」と、かなり面白いからです。


https://www.irasutoya.com/2016/12/blog-post_233.html