インタプリタかなくぎ流

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小さな習慣

習慣化、特になにか自分にとって「よいこと」を習慣化するためのコツについて書かれた本です。そのコツとは煎じ詰めて言えば「ばかばかしいほど小さなステップ」からはじめるということ。習慣化についての同様の主張は多くの方がされており、同様の本もたくさん出版されています。その意味ではさほど目新しいものはないのですが、「ばかばかしいほど小さなステップ」の例として挙げられている「腕立て伏せ1回チャレンジ」というのはなかなかにキャッチーだと思いました。

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小さな習慣

「腕立て伏せ1回チャレンジ」は筆者がジム通いの習慣化を目指した最初の一歩なのですが、すでにジム通いが習慣化されてしまった私でさえ最初はもっと大きな一歩を選びました。それくらい「ばかばかしい」。でもそこで言わんとしていることは本当によく分かります。習慣化する前には「エベレスト」のように見える目標も、その「ばかばかしいほど小さなステップ」を一歩踏み出すことで克服可能な目標になる。この踏み出す前の0と踏み出した後の1の違いはものすごく大きいです。

もちろん一歩を踏み出した後は、それを継続させるための工夫も必要で、それについてもこの本に書かれています。しかしこの本のエッセンスはひとえに「腕立て伏せ一回チャレンジ」と「それを記録すること」に集約されており、それ以外の部分はちょっとくどいかなと思いました。それじゃ一冊の本にならないので仕方がないですし、筆者の老婆心でもあろうかと思いますが、私は飛ばして読んでしまいました(ごめんなさい)。

「バカバカしいほど小さなステップ」→「それを記録する」というのは本当に強力です。記録は、自分で記録してもいいし、アプリなどを使ってもいい(この本でもいくつかアプリが紹介されています)。記録された項目や数字が増えていくほど、習慣を継続するのが楽になっていきます。

私がこの方法で習慣化できたものはいくつもあります。以前にも書いた語学の読解や問題集がそのひとつで、これは自分で記録しています。一方アプリに任せているのはDuolingo(英語・フィンランド語)で、今日で連続2085日目。このブログの更新も今日で連続1515日目になりました(はてなブログダッシュボードの「ブログの概要」に連続記録がつきます)。

「よいこと」を習慣化するのは比較的ラクですが、「わるいこと」をやめる習慣化はけっこう難しいです。それは「バカバカしいほど小さなステップ」を設定しにくいものがあるからで、例えば断酒は飲むか・飲まないかの選択じたいが最初から大きなステップですし、「ちょっとだけ飲まない」というような小さなステップは設定しにくい(結局飲んじゃってるから)ですよね。

それでも私は、お酒に代わる飲み物を潤沢に用意することでなんとかステップを積み重ね、記録することでそれを補完しつつ今日で190日目になりました。これはまだ安定的な習慣になったとはいえないような気がしているので(時々飲みたくなることがあります。まあ飲んでも、もうそれほど飲めない身体なのでたいしたことはないのですが)、もうちょっと継続が必要なようです。

これ以外に現在、ピアノの練習を習慣化すべく取り組んでいます。この場合の「ばかばかしいほど小さなステップ」は、一小節だけ弾いたらおしまいにするというもの。う〜ん、ばかばかしい。でもこれで一曲、二曲と弾けるようになっています。これもぜひ安定的な習慣に持っていきたいものです。