インタプリタかなくぎ流

いつか役に立つことがあるかもしれません。

ワクチン接種についてもう一度考え直してみる

先日同僚と雑談していて「新型コロナのワクチンが打てるのはいつになるかねえ」という話になりました。今のところ優先されている高齢者や基礎疾患のある方やエッセンシャルワーカー以外の、一般現役世代の私たちにまでワクチンが回ってくるのはいつになるんでしょうか。

自治体によってはすでに接種券が配布されて、東京や大阪の大規模接種センターでワクチンを打つことができた、という方もいるようです。政府の動きを見ているとやたらゴタゴタが続いているようですが、私はここはまあ静観するしかないかなと思っています。外野からあれこれ批判するのは簡単ですけど、いまはあれこれ茶々を入れずに、とにかく接種率を少しでも上げていくことが肝要かと思って。

「ワクチンを打ったら旅行にも行けるようになるかなあ」という話の流れになったので、私は「パスポートにも接種済みを証明する仕組みが導入されるらしいですね。はやくそうなればいいなあ」と言ったのですが、あとから思い返して「ちょっと軽率だったかな」と反省しました。これって、ワクチン接種の有無で対応を変えるという、新たな差別の種になり得るんじゃないかと思って。

はたして、今朝の東京新聞に似たような話の記事が載っていました。そもワクチン接種は任意であること、ワクチンを打たない自由もあること、そしてまさにワクチン接種の有無によって不利益がもたらされてはいけないし、逆に「みんな打つべき」といったような同調圧力になってもいけないと。同感です。

東京新聞には以前、この件を簡単にまとめた記事もありました。検索してみるとウェブ版に残っていました。
www.tokyo-np.co.jp

国会の付帯決議では、接種していない人への差別、職場や学校での不利益な取り扱いは許されないことも周知徹底するよう政府に求めています。

野党は「証明がないと飲食店やイベント会場に入れないことはないか」「頻繁に接種歴を求められる社会になるのでは」などと懸念を示しています。

いや、この問題、今後接種率が高まって行くにつれて徐々に顕在化していくのではないかと思います。私が言った「ワクチンパスポートを待望」というのも、この懸念につながる発想ですよね。

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https://www.irasutoya.com/2020/12/blog-post_61.html

かつて日本は、ワクチンの開発や製造において世界トップクラスの技術を持っていたのに、ワクチンによる薬害や副反応が大きく報じられる中でワクチン​に対して懐疑的な世論が形成され、それが今次のコロナ禍でワクチン普及が諸外国に比べて遅れた原因のひとつとされています。

なのに今度は、国民あげてワクチン待望論にどっと傾き、さらにはワクチン接種への同調圧力が働いたり、ワクチン接種を望まない人に対する差別が広がったりするとしたら……これではあまりに愚かで無定見です。私ももう一度冷静になって、ワクチンを接種したいのかどうか、するのかどうかを熟考してみようと思いました。