インタプリタかなくぎ流

“Might come in handy one day.”

サウナと「意識高い系」

私がブログを書いているこの「はてなブログ」には「今週のはてなブログランキング」というのがありまして、毎週楽しみにしています。カテゴリーはふたつあって、はてなブログ全体のランキングと、もうひとつは「増田」のランキングです。
blog.hatenablog.com
増田というのは「はてな匿名ダイアリー」のことを指すネット用語です。もともとこのはてなブログの前身が「はてなダイアリー」で、その当時のデザインを残しつつ、匿名で書けるブログとして人気があります。正規の(?)はてなブログのランキングが多くのブックマークがつく優れた記事が多い(あと、なぜかテクニカル系の記事が多い)のに対して、増田のほうは匿名だけに玉石混交ですけど、多少毒も伴った本音を吐露している記事や、思わず読んでしまうような名文・迷文が多くておもしろいのです。

ちなみに「増田」は「匿名ダイアリー」の英語“Anonymous Diary”からきているそうです。「アノニマスダイアリー」のまんなかにある「マスダ」なんですね。

それはさておき、今週の増田にもおもしろい記事がありました。
anond.hatelabo.jp
わははは、これは手厳しい。確かに昨今のサウナブームにはそういう「意識高い系」のうんちくが多分に介在しているような気はしますね。一流のビジネスパーソンはサウナに行っているみたいな本や雑誌の特集を見かけたことがありますし。かくいう私もこのブログで「意識高い系っぽい」文章をいくつか書いたことがありますから、こちらの増田氏にとっては「マジでムカつく」存在であるかもしれません。

サウナってのは、そういう猥雑で、わざわざ趣味とか言い出すような日の当たるものじゃなくて、
サウナ終わったらビール一気に飲んじゃったりして、健康かどうかすらわからないような、
価値観の判断から離れた、日常生活の隙間に入ってくる、一人のゆたかな時間であるべきなのよ。

そうねえ。私も平日はほぼ毎日ジムでサウナを使っていますが、たしかにそこにいらっしゃるオジサン方は、こんないい方はアレですが、ジムに朝から通っていらっしゃるにも関わらず「健康かどうかすらわからない」ような雰囲気の方が多いです。もちろんテレビも大音量で放映されています。

でも、たぶんこの増田氏がおっしゃるようなオジサンが「一人のゆたかな時間」を過ごすサウナは、もっとディープな、例えば銭湯なんかに併設されているアレとか、最近できたおしゃれなのとは一線を画す老舗のアレとかなんでしょうね。私もそういうところに行ったことがありますが、アレらでくつろいでらっしゃるオジサンたちは、ジムのサウナにいらっしゃる方より一回りも二回りもこの増田さんがおっしゃるオジサンに近いです。

私は正直に申し上げてあのオジサンオジサンしすぎた雰囲気はちょっと苦手なので(やっぱり悪い意味で「意識高い系」なのかしら)、ジムのサウナぐらいがちょうどいいですし、できればテレビもないほうがいいなと思います。でもこの増田氏が「収奪されようとしてる」とおっしゃる気持ちはなんとなく分かります。あのディープなサウナに漂っているある種の倦怠感とか虚脱感みたいなもの、背徳感とすら言えるようなものが、昨今のサウナブーム下で語られるあれこれの言葉にはかなり欠けていますもんね。

本当はフィンランドのサウナみたいに薄暗くて、温度低めで、長い時間入って思索にふけるようなのが私は一番好きです。下の写真みたいなの。でもそれはまさにフィンランドに行って入るからその良さがあるんであって、日本で、この忙しい日常生活の中にアレを持ち込んでどうなるという気もします。ようは棲み分けが大切なんですかね、何事も。

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