インタプリタかなくぎ流

いつか役に立つことがあるかもしれません。

校則で下着の色を決める?

先日Twitterで見かけて、思わずリツイートしてしまったこちらのツイート。

「校則で下着は白と決まって」いるって、まだそんなブラックな校則が残っているのかと思いきや、残っているどころか地域によっては大勢を占めているみたいです。

www.yomiuri.co.jp

髪の毛の色もそうですけど、こんな不可思議な校則が現代でもまかり通っているなんて、学校現場はかなり狂っていますね。世上よく学校のセンセは世間知らずだからなどという物言いがあって、教師の端くれである私などは少々反発するところもあるんですけど、こんな校則が現存しているようじゃ、やはり世の中の見方考え方が世間とは乖離しているといわざるを得ません。

学校の先生方、それも多感な中高生を相手にしている先生方からすれば、髪型やファッションを野放図に認めてしまえば学校現場が「荒れる」という懸念があるのだと思います。でも本当にそうなのでしょうか。私が中高生の頃はまさにそんな「荒れた」学校現場が社会問題化していた時代でしたが、あの時代に比べたら現代の中高生はとっても大人しいと思います。むしろ、例えばかつての「ツッパリ」みたいなのって、却ってダサい、と思っているんじゃないでしょうか。

まあ私は主に東京の中高生しか見ていませんから地方の状況はどうだか分かりませんが。でも私の実家のある北九州市は、それこそむかし懐かしいツッパリスタイルをさらに極限まで進化させたようなド派手な格好をする成人式で有名な土地柄(?)ですが(すべての若者がそうではありません)、北九州の中高生だって、外見からみる限り昔に比べて一回りも二回りも大人しく洒脱になったように思います。

思うに、今でもブラックな校則が残っているのは、昔の「荒れた」学校現場を体験した世代の年配の先生方が、その恐怖体験に今も縛られているからじゃないでしょうか。少しでも緩めたら、またあの悪夢が再現される……というトラウマに囚われているのかもしれないと。でももうそんな時代じゃないのではないか。

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https://www.irasutoya.com/2016/06/blog-post_84.html

私がいま勤めている学校など、外国人留学生ばかりでそれはもう個性豊かな人ばかりです。ファッションはもちろん、髪型も、髪の色も、メイクも、アクセサリーも本当に色とりどりで華やか。今年はオンライン授業が多かったので学校はとても静かな日が多かったですが、普段なら、それも休み時間などになると、廊下はもう百花繚乱といった状態を呈します。見ていて眩しいくらい。私はそういう学生が行き来する様子を眺めながら、いつも「いいなあ……」とつぶやくのです。

いろいろな価値観・社会観・宗教観を持つ人たちが大勢集まっているので、髪の色だの服の色だのを云々すること自体ナンセンスというか、むしろしちゃいけない・すべきでない、という雰囲気です。それが当たり前だし、それでいいのです。ブラックな校則は「せーの」で全部やめてみたらどうでしょう。いっときは「ぶわーっ」と極楽鳥みたいな生徒が増殖するかもしれないけど、やがてみんなそれなりに収まって、あとには個性豊かな学生がいるだけ、という状態になるでしょう。楽観的に過ぎる? いえ、それでも個人の髪型や下着を他人がどうこう言うこと自体が許されないのです。ぜひうちの学校に見学に来てください。