インタプリタかなくぎ流

“Might come in handy one day.”

あまりにも家が狭いので

在宅勤務やテレワークの期間が長期化するにつれて、その利点が様々な角度から論じられています。こうして否応なしに在宅勤務に追いやられてみると「なんだ、意外にできるじゃないか」と思った方が多いのだとか。あの長時間満員電車に揺られる苦行はいったい何だったのかと。たしかに、ウェブ会議システムを始めとする協同のための道具がこれだけ揃っているいま、もう郊外から都心へとみんなが通勤してオフィスビルに籠もらなくてもできる種類の業務や業態はたくさんあると思います。

業務や業態によっては、大都市に集中して住まなくてもほとんどの仕事が可能になるのかもしれません。私が奉職している教育業界だって、従来のように学生さんが「登校」してきて、リアルな対面授業をやらなくてもなんとかなると思う方はいらっしゃるようです。大学など様々な学校や機関がネットでの学びのコンテンツを充実させていますし(日本はまだまだ遅れているようですが)、ネットで使える教育用のサービスも数え切れないほどあります。現在はまだデータ通信量の点で不自由な部分もあるものの、まもなく5Gの環境が標準になって、VR(仮想現実)のような技術も成熟してくれば、かなりのことができるようになるのではないかと予想する方々もいます。

私はもう中高年から老年の域に差し掛かっていて、定年とか退職とかいう言葉が指呼のうちに入ってきている人間ですし、それらを迎えた先は、正直もうこの業界にはあまり関わりたくないかな……などと考えている人間です(もっと別のことをやってみたい)。それでもせっかくこういう機会に遭遇したのですから、せめていろいろな可能性を試してみたいなとは思っています。その意味ではやる気十分なんです。向き合っている学生さんたちの顔を思い浮かべると、なおさらに。

ただ私の場合は、自宅があまりにも狭いために、在宅勤務がとてもやりにくい環境だと分かりました。むかしむかし、自嘲を込めた流行語に「ウサギ小屋」というのがありましたが、うちは本当に狭くて寝室と居間の二部屋しかありません。そんなところで私が朝から晩まで在宅勤務をしているんですから、妻も私もストレスがたまります。いくら服を着替えて「出勤モード」にしても仕事に集中しにくいですし、ウェブ会議や授業の録音なんてことになると、とんでもなく気疲れします。

せめて書斎や勉強部屋みたいに一人でこもることができる部屋がもうひとつあればいいのですが、そうなると東京のこのあたりでは家賃がバカ高くなり、私の収入ではとてもまかない切れません。もっと家賃の安い郊外へシフトするのもひとつの選択ですが、今以上に満員の通勤時間に揺られるのは耐え難い……。これはもう東京という異様に密集した大都市に住む者の宿命かもしれません。幸い今住んでいる場所から職場までは自転車で40分ほどなので、最近になって週に何度かは自転車で通勤するようになりました。運動不足解消も兼ねることができますし。

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https://www.irasutoya.com/2015/12/blog-post_29.html

久しぶりに職場に行ってみて、誰もいない空間というのは実に仕事が捗るなあと思いました。普段はいろいろな人が出入りしていて、いろいろな要件で作業が中断されるのですが、今のこの時期は人がほとんどいないので、ものすごく快適です。「ステイホーム」「家にいよう」をできれば守りたいのだけれど、あまりに家が狭いのでおかしくなりそう、で、つい外に出ちゃうという方、特に東京の都心には多いんじゃないかと思います。