インタプリタかなくぎ流

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髪が伸びきっちゃう

いつも髪を切ってもらっているお店からメールが来ました。新型コロナウイルスの感染拡大防止と、緊急事態宣言の発令を受けて、今週末から四月の末まで休業にするとのことです。

新聞の報道では、緊急事態宣言発令にあわせて発表された政府の「基本的対処方針」で「必要最低限の生活を送るために不可欠なサービス」として事業継続を要請するとされた業種の中に「理美容」も入っていたので、ちょっと虚を突かれた感じでした。事業の継続要請か自粛要請かについては国と都の考え方が対立していたそうですが、東京の理美容業界団体が都の要請を受け入れたのかもしれませんね。

感染症の蔓延で営業停止に追い込まれる業種が多い中、理美容についてはけっこう安定した職業じゃないかなと個人的には思っていました。だって社会の状況がどうあろうと、人間の髪は伸びるわけですから。二週間ほど前に切りに行ったときも、店員さんと「美容師さんはこんな状況でもお仕事が継続しますよね」「そうですね、今のところ予約は通常通り入っています」という会話をしたところでした。

AIやロボットが発達しても、人間の髪を切るという作業はなかなか機械化できないんだそうです(洗髪の機械はありますが)。髪は個人差が大きいのもさることながら、長い髪を切る機械を実現しようとするとものすごいスペースを取ることになるからだとか。というわけで「手に職」なら、これからは断然理美容業界だよね、などと思ってもいたのです。なのにこの休業。考えが甘かった……。

確かに、髪を切るときはいわゆる「三密」が成立しそうです。だから休業もやむを得ないかなとは思いますが、上述したように髪は容赦なく伸びてくるんですよね。長い髪の方は多少切らないでいてもそんなに困らないでしょうけど、私みたいに短髪で、しかも針金みたいに太い髪の人間はどうしましょう。放っておくと、お能に出てくる猩々とか慈童とか、歌舞伎に出てくる石川五右衛門みたいになっちゃうの……。

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https://www.irasutoya.com/2016/06/blog-post_91.html

いやはや、意外なところに影響が出るものです。今回のような事態がもっと長引いたら、そして政府や業界団体からの要請とかで理美容業界全体で休業なんてことになったら、街には髪型がものすごいことになっている(特に)男性諸氏があふれることになるのかしら。それともみんな帽子をかぶったりするのかしら。