インタプリタかなくぎ流

“Might come in handy one day.”

「Pretender」とシンコペーション

YouTubeでチャンネル登録していつも見ている、Dr. Capital氏の動画。先日はOfficial髭男dismの「Pretender」を取り上げていました。いつもの通り、音楽理論の豊富な知識を背景に、「こんな魅力が隠れていたのか!」と気づかせてくれる切り口がとても新鮮です。


Official髭男dism の Pretender - Dr. Capital

今回は「Pretender」の「Bメロ」に現れる、「均一に鳴っているコード+シンコペーションのベースライン」がとても「キャッチー」だと解説されています。そしてここがいつも楽しいのですが、こうした「技法」が他のアーティストの作品でどのように用いられているかを紹介してくれるのです。今回はビートルズの「Maxwell's Silver Hammer」と、ビリー・ジョエルの「Zanzibar」、もうひとつ、ランディ・ニューマンの「I Love L.A.」が例示されていました。

「Zanzibar」は中学生の時に聴いて以来、ずっと好きな曲です。ビリー・ジョエル自身はどこかで「自分ではいい曲だと思ってるんだけど、そんなにヒットしなかったんだよね」と言っていましたが。


Billy Joel - Zanzibar (Audio)

なるほど、「Zanzibar」の「サビ」で「I've got the old man's car/I've got a jazz guitar/I've got a tab at Zanzibar」と歌われている部分の後ろに、断続的に入っているのがシンコペーションのリズムなんですね。ここが「Pretender」で「もっと違う設定で/もっと違う関係で/出会える世界線/選べたらよかった」と歌われている部分の作りと共通していると。アーティストが作品を作る際に、どれだけの思考を積み重ねているのか、こういうところからも垣間見えます。

「Pretender」のPVは背景に「東方電影院」というネオンサインがあって、その向こうには台北駅の大屋根が見え、途中に「西門店」と書かれた看板が出てきます。途中で映る街の風景もいかにも台北で懐かしい感じなんですけど、ネットで検索したら、その場所まで特定して楽しんでいる方がいました。素晴らしいです。「Pretender」そのものは特に台湾やアジアに取材した作品じゃなさそうですけど、面白いですねえ。

nanasepn.com


Official髭男dism - Pretender[Official Video]

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