インタプリタかなくぎ流

“Might come in handy one day.”

自宅でのバーチャルなお稽古

週末はできるだけ外出を控えるということでずっと家にこもっていました。せっかくの週末、仕事をする気にもならないので(こらこら)積ん読してあった本を片っ端から読んでいます。でもそれだけでは腰を痛めるので適度に運動、あとは家事。それからお能の稽古です。

いま取り組んでいるのは六月にある予定の温習会(これもどうなるかはわかりませんが)で舞う予定の舞囃子「融(とおる)」です。最初に長い謡があって、それから早舞(盤渉舞)があって、最後に仕舞と同じ寸法の舞がついています。中盤の早舞は「五段」という少し長めのもの。

お師匠からは、「次はどの型だったっけ」と思い出しながら舞っているようだと、融独特の「遊興」的な境地にならないので、何度もお稽古を重ねて自分なりに研究してみてくださいねと言われています。遊興の舞ですから、ある意味「一生懸命舞ってます」的な必死さが抜けて「余裕をかましている」くらいになりたいところですが、かといって「ま、こんなもんでしょ」的にこなれ過ぎちゃうと、いかにもはしたない。

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https://www.irasutoya.com/2016/01/blog-post_133.html

ふだんは自宅でお稽古しているのですが、例によってダイニングテーブルと椅子を片付けたほんの僅かなスペースしかないので、立っているところと向きを変えるところ以外は、ほとんど「実寸」での練習ができません。ご自宅に実際の能舞台と同じくらいのスペース(3間四方≒6メートル四方)がある方ならいいですけど、都会の極狭アパートじゃ無理ですよね。みなさん、どうやって稽古なさっているんでしょう。

地域の公民館を借りている方もいるようですが、グループならともかく個人にはなかなかハードルが高いです。ダンススタジオなどのスペースを借りたこともあるのですが、これはかなりお高いのでそう頻繁には使えません。都心の地下街とか、大きなビルの前にある公共スペースなどで、ダンスの練習をしている方々を見かけることがありますが、ああいうところでやるのは……でも、お能の場合は扇を持っているので、かなり目立つような気がします。

結局自宅の狭いスペースで、「ここは三足(三歩)行ったつもり」とか「ここで大きく回っているつもり」などとバーチャルなお稽古に甘んじるしかないのです。