インタプリタかなくぎ流

“Might come in handy one day.”

からだの使い方を「発散」させる

ここのところずっとご無沙汰だった腰痛に襲われてしまいました。年末年始の自堕落な生活に加えて、音声を聞きながらの長時間の採点を何日間も続けていたからじゃないかと思います。ジムのトレーナーさんがおっしゃっていましたが、デスクに向かって座り、長時間パソコンを使い続けることほどからだに悪いことはないとのこと。いつの間にか腰に負担がかかっていたようです。

腰痛予防のためにバランスボールに座り、骨盤を意識して座ってはいるのですが、ふと気がつくと腰が前方に逃げて背筋を曲げるような姿勢になっています。よく電車の中で、足を前に投げ出し、あるいは足を組んで、腰が前にずり落ちるような形で背骨を曲げて座っているお若い方を見かけますが、余計なお世話ながら「大丈夫かしら」と思います。中年以降に腰痛で苦労しなきゃいいんですけど。

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https://www.irasutoya.com/2013/11/blog-post_8579.html

それはさておき、治療のためにいつも通っているジムでマッサージをしてもらいました。今回は左側の腰がまるで鉄板でも埋め込んだかのように固まっていたのでほぐしてもらったのですが、翌日には右側も凝り固まって腰痛が悪化してしまいました。どうやらからだの使い方が悪いため左側の腰が不調を起こし、その左側をかばうようなからだの使い方をしたおかげで右側までバランスを崩したみたいです。

体幹レーニングをしていても、からだの左右で明らかに違いが見られます。片一方では楽にできたり、楽にバランスが取れる動きが、もう片一方ではかなり危うかったり、可動域が狭かったりするのです。

先日読んで大いに触発された平尾剛氏の『脱・筋トレ思考』では、シンプルな筋トレだけでは見落としがちな感覚の世界であるところの「身体知」に紙幅が大きく割かれており、その中にからだの「左右差」についてこんな記述がありました。

利き手や利き足の使いやすさに頼るのではなく、その使いやすさから出発して利き手や利き足とは反対の手足に意識を向けてその差を感じ取る。そして、使いにくさという違和感を解消すべく左右の調和を図ることで動きは洗練化されてゆく。だからアスリートは、あえて苦手な方の手足を使って投げる、蹴る、箸を使うなどして、身体感覚を深めるように努めるのである。

なるほど、しらずしらずのうちに固定化してしまうからだの使い方を、常に発散させるというか、変な癖がつかないように気を使うわけですね。これは、からだの使い方の偏りが蓄積してたびたび腰痛を発症する自分にも何らかの効果があるかもしれません。

というわけで、ふだん右手でやっている動作を意図的に左手で(あるいはその逆で)やるようにしてみました。例えば歯を磨く時、私はいつも左手に歯ブラシを持つのですが、それを右手に持ちかえてみたのです。そうしたら、びっくりするほどからだが思うように動きませんでした。かなり意識して腕や掌や指の位置を調整しないと、きちんと歯が磨けないのです。

こうした試みを続けていけば、平尾氏のおっしゃる「しなやかなからだ」に少しは近づけて、腰痛になる頻度も減るかもしれません。歯磨きだけでなく、かばんを肩にかけるとか、スマホをポケットに入れるとか……様々な動作を利き手や利き腕以外で試してみようと思います。