インタプリタかなくぎ流

いつか役に立つことがあるかもしれません。

なぜ並ぶ?

通勤途中にある一軒のラーメン屋さんが気になっていました。お昼時にはいつも行列ができていますし、看板には「無添加」とか「国産野菜」とか「化学調味料不使用」などの文字が並んでいます。ネットの情報によれば、どちらかというとお若い方向けの「ガッツリ系」なラーメンで、大盛りにしてもお値段据え置きとか、野菜の増量も「ロハ*1」だとか大変に気前がよろしい。各種グルメサイトの評価は★3.5といったところでした。

それで先日、少々仕事が長引いて遅めのお昼休みとなったのを奇貨として、初めて入ってみたわけです。店内にもこだわりスープの長い説明が貼られており、麺の量はもちろん、太さや硬さ、スープの濃さなどお好みの味に調整いたしますというお知らせも。昼下がりでも店内はほぼ満席でした。で、頼んでみたこの店一押しの特製ラーメン、程なく着丼、高鳴る期待。

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https://www.irasutoya.com/2016/07/blog-post_42.html

でも食べてみたら「味が災厄と表してもいいくらいひどかった(村上春樹ファミリー・アフェア』)」のです。こんなにしっちゃかめっちゃかな味のラーメンに接したのは久しぶりです。それでも『ファミリー・アフェア』の「僕」みたいに「なんとか半分だけ食べてからあきらめ」たり「あとは下げてくれ」と言ったりはせず、あらかた食べてお店をあとにしました(残して立ち去る勇気もないし、食材がもったいないし)。

グルメサイトやネット上の★による評価というのは、やはりあてにならないのだなと改めて思いました。「孤独のグルメ」じゃないけど、お昼ごはんの選択に失敗すると、その日の午後の気分はどんよりしてきます。私は職場に戻りながら小声でひとこと「なぜ並ぶ(西原理恵子『恨ミシュラン』)」とつぶやいたのでした。

*1:すでに死語ですかね。「タダ」ということです。「只(ただ)」という漢字が「ロハ」と読めるから。