インタプリタかなくぎ流

いつか役に立つことがあるかもしれません。

モノに「ご縁」を感じる

ジムでのトレーニングを終えて都心の裏通りを歩いていたら、小さな小さなギャラリーの前を通りかかりました。これまでにも何度も通っていて、いつも陶芸や絵画などの個展が開かれているのは知っていましたが、入ってみたことは一度もありませんでした。ところがその日は何か気になるものを感じて、ギャラリーの扉を押したのでした。

その日開かれていたのは二人展で、若手のガラス作家さんが作品を展示販売していました。小皿や花瓶や箸置きみたいなオブジェや……どれも掌に収まるくらいの小ささで、なおかつパステルカラーが基調のすりガラス処理をしたものが多いみたい。その時に「呼ばれた」のがこの小さな花瓶です。値段もお手頃。その場で購入してしまいました。

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実はずっとこれくらいの大きさの、そしてこんなイメージの花瓶を探していたのです。一昨年に細君のお父さんが亡くなり、実家を処分して位牌などを持ってきたのですが、狭すぎるうちの部屋には仏壇を置くスペースの余裕がないので、本棚に収まるような小さくてモダンな仏壇を探しました。でも市販のいわゆるモダン仏壇は、どれも微妙に「スピリチュアル」なテイストがまぶさってて、どうにも気持ち悪い(失礼)。それで近所の木工所さんにお願いして、シンプル極まりない仏壇(のようなもの)を作ってもらったのです。

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お灯明はイッタラの「KIVI」にLEDキャンドルです。このKIVIはすりガラス処理がしてあるので、明かりが適当にほんわかとぼやけて、モダン仏壇向きの落ち着いた雰囲気になります。今回見つけた小さな花瓶は、その雰囲気にぴったりだと思いました。

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私、あんまり「スピリチュアル」な言説は信じない人間なんですけど、時折こうしてモノから「呼ばれる」ようなことがあります。本屋さんでぶらぶらしている時なんかにも。こういうのが中国語に言う“緣份(ご縁)”なのかなと思うのです。花瓶を購入したら、お店の方がこの二人展のハガキをくれました。そこに作家さんのプロフィールが載っていたんですけど、私と同じ学校を卒業された方でした。おお……なんだかますます“緣份”を感じますね。

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