インタプリタかなくぎ流

いつか役に立つことがあるかもしれません。

古本屋さんの新しい試み

日常的によく本を買います。でもどんどん本棚に本が増殖していくので定期的に整理しています。

この時代、電子書籍という選択もあるのですが、何十冊も読んでみて、私の場合はやはり頭の中に残らないことが分かりました。「新しもの好き」としては痛恨の極みですが、電子書籍で本を読むと、読後感が本当に希薄なのです。私の場合、手で実物の付箋を貼ったり、本の重さや厚さを感じたりすることが読書体験と強く結びついているような気がしています。というわけで、増殖速度が速くて非常に場所を取るマンガ以外はすべて紙の本に戻りました。

紙の本は新品を買うこともありますが、Amazonマーケットプレイスや日本の古書店などネットにある古本屋さんもよく利用しています。古本屋さんにもいろいろあって、ときにかなり「非良心的」なお店もありますが、逆にここで買えばまず大丈夫というお店も分かってきました。長野県上田市で運営されている「VALUE BOOKS(バリューブックス)」もその一つです。

このお店で古本を買うと、すぐに簡易な包装で届くのですが、なかに「納品書のウラ書き」という紙が一枚入っています。その名の通り、Amazonマーケットプレイスでは必ずつけることになっている(はず)納品書、そのウラにちょっとしたコラムや本の紹介、お店の近況などが書かれているものです。ニュースレターのようなものといってもいいかもしれません。

f:id:QianChong:20190331104137j:plain

これがとても楽しみで毎回読んでいるのですが、先日はこの「ウラ書き」のほかにもう一枚紙が入っていました。それはVALUE BOOKSが昨年から始めた、新しい買い取りサービスの現状報告でした。この会社は「本を循環させることに一生懸命な会社です」というのがキャッチフレーズなんだそうですが、買い取りサービスで送ってこられてもほとんど商品価値がないものは買い取れない、それでは会社も売り手の私たちも配送業者さんもハッピーになれない……と感じていたそうです。

そこで売り手が事前に買取額を「おためし査定」できて、確実に買い取ってもらえそうなものだけ送ってもらい、その際の送料は有料にするものの、そのぶん買取額をこれまでよりも高く設定する、というサービスに切り替えたのだそうです。結果的にはこのサービスが何とか上手くいきつつあるということで、その状況をやはりニュースレターのような形で報告されているんですね。なるほど。

f:id:QianChong:20190331103951j:plain:w400
www.valuebooks.jp

次に本を売るときは、こちらも利用してみようかなと思います。

追記

私は古本を売るとき、基本的には古本募金をしています。ネットで「古本募金」を検索してみるとたくさん出てきますが、業者に古本を送ると、査定額のうち何割かが募金に回されるというものです。募金額は微々たるものですが、古本を売って儲けるつもりもないので。

この古本募金の一部にも上記のバリューブックスが関わっています。例えばこちらのサイトなどから利用することが可能です。

www.charibon.jp

このしくみも最近の配送料値上げなどの影響を受けて、存続が危ぶまれる事態になったとのことで、送料無料・箱数無制限だった以前の形式から最近改変が行われたようです。紙資源のこと、環境のことなどを考えるとやはり電子書籍に移行していった方がよいのかもしれませんが、私はやはり紙の本で読みたい。となれば、こうしたサービスを上手に使いながら、少しでも社会に還元しつつこれからも本を読んでいきたいです。