インタプリタかなくぎ流

いつか役に立つことがあるかもしれません。

人の幸せを邪魔しちゃいけません

去る2月14日、「同性同士の結婚を認めないのは憲法が保障する婚姻の自由を侵害し法の下の平等にも反する」とした国賠訴訟が起こされました。ニュースソースはネット上にたくさんありますが、提訴前の取材記事であるこちらは、当事者の声や世界の状況、さらに憲法解釈までまとめられていて分かりやすいです。

www.buzzfeed.com

私はこの訴訟を応援したいと思います。この訴訟をサポートするほか、様々な啓発活動を行っている「一般社団法人Marriage For All Japan – 結婚の自由をすべての人に」のウェブサイトはこちら。

marriageforall.jp

同性婚のみならず、例えば夫婦別姓などにしても、その合法化が実現しても自らの暮らしや生き方には全く影響が及ばないのに反対している方がいるのは残念ですね。でも、こうしたひとりひとりの生き方を尊重するのは、様々な人権問題同様に人類がつかみ取ってきた叡智のひとつであり、世界の趨勢です。どんどん声を上げていきましょう。

私は最初に結婚したのが26歳くらいでしたが、お互い姓を変えたくなかったし婚姻制度そのものに対しても色々と考えるところがあって「事実婚」を選びました。でも行政手続きや会社での手当など様々な部分で制約や不利益にぶつかりました。それでも当時は「自分で選んだのだから仕方がない」と自分に言い聞かせていましたが、周りの人からの心ない(でも大概の場合、ご本人はそれに気づいてらっしゃらない)言葉の数々には心痛むことが多かったです。

その後ずいぶん経ってから二度目の結婚をしたときには、かなり現実的な考え方になっていて、単純に不利益を避けるという直截な理由から籍を入れましたが、今でもどこかに納得のいかない感じを抱えています。その「納得のいかなさ」は現行法に対する違和感でもありますが、もうひとつ、そうやって妥協している自分に対するふがいなさでもあると思います。だから今回、まっすぐに自分の権利を主張されている原告のみなさんにとてもまぶしいものを感じるのです。

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https://www.irasutoya.com/2014/12/blog-post_524.html

知人に聞いた話では、同性カップルが結婚式を挙げたいと東京都内の「御三家」的式場に申し込んだ場合、「HP園」ではぜひぜひ、だったのに対し「CZ荘」ではお断りします、だったとのことです。「GJ園」はどうなのかな。同性婚などの合法化が世界の趨勢となる中、経営陣の教養が問われる時代ですよね。そして政治家も。ニュージーランド同性婚が合法化された際、国会議員が行ったこちらの非常に有名なスピーチは、簡にして要を得ています。

youtu.be
www.huffingtonpost.jp

ほんと、どう考えても個々人の、それぞれに違う形の幸せを全力で応援すべきです。「人の恋路を邪魔する奴は馬に蹴られて死んじまえ」と都々逸にも歌われているではありませんか。でもこう言っちゃうと身も蓋もないけれど、やっぱりある程度の教養がないと、こういう事柄は理解できないんじゃないかとも思います。基礎教育やリベラルアーツの大切さを改めて感じたのでした。