蘭嶼の集落では、十字架があちこちで目につきました。キリスト教の教会も数多く見かけました。蘭嶼の先住民族はタオ族(ヤミ族)ですが、この民族は独自のアニミズムを持っているものの、第二次世界大戦後にキリスト教が普及したそうです(参照:タオ族 - Wikipedia)
特に海の波が削ってできたと思われる洞窟の奥に十字架が立てられている場所がいくつかあって、神聖な、というよりちょっと怖い雰囲気を漂わせていました。ここも祈りの場所なのでしょうか。
蘭嶼は山間部が急峻なため、ほとんど道路や人家が見られないのですが、唯一山の上に見えるのが灯台で、ここまでは道路が延びています。灯台独特のこの雰囲気、やっぱりいいですね。
灯台へ向かう道の途中に、徒歩でしか入れないような横道がありました。「小天地」というタオ族のかつての聖地に通じているそうです。蘭嶼には「大天地」と「小天地」という二つの聖地があり、どちらもかつての火山の噴火口だそうです。大天地は水がたまって湖になっているのですが、ガイドなしには到達できないほど深い森の奥らしいので今回はあきらめ、小天地を見下ろせる場所まで行ってみることにしました。
バイクを降りて、山道を歩きます。現在はタオ族の多くがキリスト教に帰依しているとはいえ、先住民族の聖地に踏み込むのはちょっと申し訳ないような気がしますけど。説明の看板によると、かつてはこうした聖地で身体を清め、邪を払う儀式が行われていたそうです。
だんだん草木が覆い被さってくるようになり、もう引き返そうかなと思ったら、いきなり視界が開けました。
この緑の濃さと深さ。たぶん底の方が噴火口で、そこに聖地があるんでしょうね。
タオ族の主食は「芋頭(タロイモ)」だそうで、島のあちこちにタロイモの水田がありました。
街の食堂ではタロイモアイスも。かなり甘さ控えめの素朴な味です。
海岸においてあった伝統的な形の船(たぶん観光用だと思いますが)と、そばでご主人様と一緒に散歩していたわんこ。