関係代名詞が登場しました。英語ではさんざっぱら学ばされたなつかしいお名前です。英語では「that」や「what」や「who」などで、この関係代名詞自体が変化することはありませんでしたが、フィンランド語では予想通り、数多くの格に展開するそうです。
とりあえず、これまで学んだ変化は「単数主格」「単数属格」「単数分格」「単数内格」「単数所格(接格)」「複数主格」の六種類。関係代名詞「joka(単数主格の原形)」は以下のように変化します。
joka 単数主格
jonka 単数属格
jota 単数分格
jossa 単数内格
jolla 単数所格(接格)
jotka 複数主格
例えば以前に教科書で学んだ文章で……
Tämä on tuoli. これは椅子です。
Tuolilla on kassi. 椅子の上は手提げ袋です(椅子の上には手提げ袋があります)。
この二つの文を関係代名詞でつなぐとき、共通項は「tuoli」と「tuolilla」で、ここに使われる関係代名詞は、後ろに来る格を明示するものになるとのこと。つまり……
Tämä on tuoli, jolla on kassi. これは椅子で、その上には手提げ袋があります(これは手提げ袋が乗っているところの椅子です)。
「jolla」は関係代名詞として文をつなぐとともに、後ろで叙述される格(単数所格)をも指定するんですね。
Tämä on herra Jokinen. こちらはヨキネン氏です。
Hän on Turussa. 彼はトゥルクにいます。
↓
Tämä on herra Jokinen, joka on Turussa. こちらはヨキネン氏で、彼はトゥルクにいます(こちらはトゥルクにいるところのヨキネン氏です)。
この場合は「herra Jokinen」と「Hän」が共通項なので、後ろで叙述される格は単数主格なので原形の「joka」が使われています。
Tämä on pöytä, jolla on kirja.