インタプリタかなくぎ流

“Might come in handy one day.”

ほんとうに「受動喫煙対策を強化されると客が減る」のかな

昨日の衆議院厚生労働委員会で、受動喫煙対策を強化する健康増進法改正案の審議中、参考人として発言していた日本肺がん患者連絡会代表の長谷川一男氏に自民党穴見陽一衆院議員が「いいかげんにしろ」とやじを飛ばした問題。動画サイトで当該委員会の映像を見ても「やじ」が聞こえなかったので、これはどういうことかなと静観していたら、当のご本人が「謝罪」して本当であったことが明らかになりました。

youtu.be
2:28:48ごろから。

穴見議員ご本人が喫煙されるのかどうかは知りませんが、まあことタバコに関する議論になるとどんな賢人や明哲も驚くほどの知的退廃を披露されるのは今に始まったことではありません。げに喫煙の害は恐ろしいと改めて思います。

qianchong.hatenablog.com
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ところがその後、穴見議員がファミリーレストラン「ジョイフル」の創業者一族(長男)で、現在も同社の相談役・代表取締役であるという報道に接して、なるほど「受動喫煙対策を強化されると客が減る」といったような飲食店経営者の視点からの「やじ」でもあったのかと認識を新たにし、さらにあきれかえってしまった次第です。

報道によれば「ジョイフル」傘下の店舗ではいまだに全面禁煙は行われておらず、分煙も単にエリアを分けるだけの不完全なものであるよし。さもありなんとは思いますが、同時になぜ禁煙を進めると客が減ると考えるのか、その点が不思議でなりません。

今朝の東京新聞にも小さなコラム「傍聴記」で記者子が書かれていましたが、飲食店で全面禁煙にしても売り上げは落ちないというデータが次々に上がっています。

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それにしても……JT日本たばこ産業株式会社)の2017年の調査でも、喫煙率は男女計で18.2%しかない現在。最も喫煙率の高い40代男性でも36.7%、つまり約6割の方は非喫煙者だというこの時代に、単純に考えて飲食店は全面禁煙にした方が客足が伸びると思うんですけど、経営者の方々はこんなかんたんな「算数」もできないんでしょうかね。

最新たばこ情報|統計情報|成人喫煙率(JT全国喫煙者率調査)

小さなお子さんを連れたファミリー層や、私みたいに飲食店での受動喫煙がいやで(だって食事がおいしくなくなるんだもの)外食を極力避けている人たちは結構いると思うんですけど、そういう新たな客層を取り込もうという経営努力をせず、頑なに根拠の乏しい「受動喫煙対策を強化されると客が減る」にしがみつくのはどういうことなのか、本当に理解ができません。

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https://www.irasutoya.com/2016/12/blog-post_14.html

「違うんだよ、バーとか居酒屋とか、酒とタバコが切っても切れない関係にある飲食店、特に小規模のそれは死活問題なんだよ」という声も耳にします。「常連さんが来なくなっちゃう」とかもね。まあそういうタバコ吞みの方々のための専用飲食店があってもいいと思います。

私はこの世からタバコをなくしてしまえと思っているわけではなく(理想論としては語れるけど今のところ非現実的です)、少なくともタバコの煙を吸わされたくない人には吸わせないでほしいと思っているだけです。だからタバコ吞みのみなさんだけが集まって吸い吸わされ、無聊を託つのもいいでしょう。

本当は二次喫煙・三次喫煙の害もあるので、その煙が染み込んだ服のまま電車やバスに乗ってほしくないんですけど(私はしょっちゅう逃げてます)、それもまあ「お互い様」「持ちつ持たれつ」の人間社会でありますからして、私はガマンいたします。

ただ「常連さんが来なくなっちゃう」系の飲食店経営者さんには、次の記事を贈ります。飲食店経営のコンサルティングをされている方のブログ記事です。

inshokukasseika.com

非喫煙者という潜在的な顧客数の優位性はいまや誰の目にも明らかです。穴見議員はじめ飲食店経営者のみなさんはぜひ賢明な判断をなさいますようにとお祈り申し上げます。