インタプリタかなくぎ流

いつか役に立つことがあるかもしれません。

現代北欧料理のお店三選

これまた例によって食べ歩きを極めた末でもなんでもなく、ネットであれこれ探して行ってみただけですが、いずれも現代的な北欧料理のお店を三つご紹介します。現代北欧料理といえばデンマークのレストラン「noma」が有名ですが、有名店だとかえって行きたくなくなるという「あまのじゃく」な私(予約も取りにくいですし)。今回は、「noma」ふうに料理がすべてお任せで、なおかつそれぞれの料理に合わせてグラスでワインをあれこれ出してくれるお店を探してみました。

ちなみにネットで検索といっても大したことはしておらず、単にGoogleMapで自分が今いる・もしくはこれから行く場所の近くに「よさそうなお店はないかな」と探すだけです。GoogleMapには世界中のユーザがチェックしたありとあらゆるお店がピンナップされていて、口コミも多数載っています。様々な言語の口コミも即座に日本語に翻訳(かなり怪しげですが)してくれるので、GoogleMapで検索する時は日本語だけじゃなくて、英語のキーワードにしてみると意外な面白いお店が見つかることがあります。

ask

ヘルシンキの繁華街から少し離れた、ヘルシンキ大学裏手の静かな一角にありました。20種類近い料理が次々に出てきて、かなり面白いです。最初の数種類はナイフやフォークを使わないフィンガーフードで、丸めて乾燥させたお手ふきに目の前でお湯をかけてもどすとか、料理のソース類は必ずテーブルでかけて仕上げるとか、中にはピンセットで食材をつまみ上げながら食べるものもあるとか、いろいろな趣向が凝らされています。

ワインもかなり個性的なものが多くて、説明を聞くのも楽しいです。サービス担当の店員さんだけでなく、厨房の料理人さんたちも入れ替わり立ち替わり出てきてはサーブし説明する、というのがこの店に限らず現代北欧料理のひとつのスタイルみたい。高級店ではあるけれど、適度にカジュアルで、ゆったり料理の数々を堪能できました。最後の、ケメックスでいれてアラビアのカップに注いでくれたコーヒーが、ちょっとびっくりするほどおいしかったです。

料理に合わせる飲み物は、ワインのコースのほかに、ノンアルコールのコースというのもあって、こちらも興味をそそられました。どんな飲み物を(それもそんなに多種類で)合わせてくるのでしょうか。次回訪れる時は、ぜひ試してみたいと思います。

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restaurantask.com


Marv & Ben

コペンハーゲン中心部にある、わりと規模の大きいレストラン。やはり高級店の趣きですが、店員さんはいたってフレンドリーです。石を敷き詰めたお皿にちょこんと前菜が載っていたりして、ビジュアル的にもかなりアート志向の料理の数々。「石は食べないでね」的なジョークも交えつつのサービスも楽しかったです。ただ英語はかなり早口で、私のレベルでは聞き取りに苦労しました。

上記のaskもそうですけど、全体的に「禅」を感じるというか、懐石料理的というか、華やかさよりも素材重視というか、従来の西洋料理からはかなり大胆に離れたイメージだと思いました。味つけもかなり薄めです。ほとんど「滋味深い」といってもいいくらい。個人的にはとても好きなスタイルですけど、人によっては好みが分かれるかもしれません。

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https://www.marvogben.dk/


Manfreds

こちらもコペンハーゲンの、ぐっとカジュアルなお店。BGMもがんがんかかっていて、レストランというより居酒屋かワインバーみたいな雰囲気です。こちらのお店は野菜料理が中心のお任せメニューがあって、それに合わせてグラスワイン3杯のセットをつけることができます。

野菜料理が中心のお店ですが、名物はなぜか「タルタル(生肉のミンチのサラダみたいなの)」らしいです。ただこれはお任せメニューに入っていないので、別に注文しました(量があるので、小さめサイズで頼むといいです)。「肉々しさ」がまったくない、とても美味しいタルタルでした。

続く料理はキュウリやアンディーブのソテーとか、ヤーコンみたいな根菜のこれもソテーとか、タマネギを軽く煮込んだのにチーズを散らしてあるとか、かなりシンプルな調理法が多いです。味つけはマヨネーズかビネガー系ばかりでこちらもかなりシンプル。野菜料理が好きな方にはおすすめですけど、ちょっと単調に過ぎると感じるかもしれません。

ただ、野菜自体はほとんどがオーガニックのようで、しみじみ美味しい……そう、こちらも「滋味深い」あるいは「野趣あふれる」という形容がぴったりな料理の数々でした。ワインリストがかなり豊富なようなので、このお店はコースを選ばず、アラカルトで何品か選んで、みんなでワインをがぶがぶ、というのが正しい使い方なのかもしれません。

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manfreds.dk