インタプリタかなくぎ流

いつか役に立つことがあるかもしれません。

今は通訳の訓練ですから

  中国人留学生向けの中日通訳クラス、最近はやや長めの逐次通訳に取り組んでいるので、あわせてメモの取り方についてもレクチャーしています。
  ところがある生徒は、原発言を聞いている間ちっともメモを取ろうとしません。当ててみると、案の定情報が大きく抜け落ちてしまって、通訳の体をなしていません。なぜメモを取らないのか聞いてみたところ……
  「メモを取るのは補佐役の仕事ですから」
  ……う〜む、“領導(指導的立場にある人)”は自ら必死にメモを取ることなどせず、部下が内容をまとめて上奏してきたものを鷹揚にしゃべっていればいいということですか。この生徒は中国で役人をしていた経験があるそうですが、それにしても日本に留学して、日中通訳を学ぶクラスに入っていて、ここまでエリート意識が強い人も珍しいです。今時、全人代の代表委員だってメモを取るふりくらいはしますよ〜。