インタプリタかなくぎ流

いつか役に立つことがあるかもしれません。

地雷を踏んだらしい

  私はいまのクラスで唯一の男性……だからというわけでもないのだろうが、「班長」ということになっている。で、先日クラスメートと喫茶店でいろいろ話したおりに、スクールに対する要望(授業の進め方とか教材の提供方法とか)がいろいろ出たので、一応「班長」の私がクラス担任にまとめて伝えた。
  ところが、これがかなりの地雷を踏んでしまったようだ。
  先週の授業がはじまる直前、このスクールの別の先生から、数名のクラスメートに対して「スクールや先生、特に主任講師に対する批判はいかがなものか。そういう人はこの学校にふさわしくないのでは」という指導が入ったそうだ。なぜ私ではなく、別のクラスメートにそういう指導が入ったのかは不明だが、その情報を授業が終わったあとしばらくして聞いた私は、すぐにその先生に電話をして、誤解である旨説明しようとした。が、「剣もほろろ」という感じで、ほとんど説明させてもらえなかった。その先生は「スクールや先生にあれこれ注文するより、自分で何かを学び取る姿勢が何より大事なのだ」とおっしゃる。それは私もそうだと思うが……。
  私としてはスクールや特定の先生に対する「批判」などではさらさらなく、単に「要望」を伝えたつもりだったのだが、たぶん伝え方が悪かったのだろう、スクール側のかなりな反感を買ってしまったようだ。クラスの意見として伝えたため、私一人ならまだしも、他のクラスメートまでスクールから白眼視されるような結果になってしまった。それだけがなんとも心苦しく、申し訳ない。
  それと最近、授業がはじまる前にウォーミングアップのつもりで日本語のアーティキュレーション練習をクラスメートと自主的に行っていたのだが、これすらも「スクールの教学方法に不満があるゆえのデモンストレーション」と受け取られてしまいかねない状況。もちろん誤解だが、こういう時には何を言っても波が大きくなるばかりだろう。
  その日はクラス担任の先生がスクールにいなかったので、説明だけはさせてほしいとスクールの事務局を通して連絡を取ってもらおうとしたのだが、後日、これも事務局から遠回しに断られた。
  それにしても、どうしてこんなことになってしまうのだろう。私の伝え方が悪かったことは猛省するとしても、スクールに対して生徒が要望を出すことがそれほどまでにタブーなのだろうか。しかもスクール側に誤解されてしまったまま、弁解や説明の機会が与えられない。正直、戸惑っている。
  まあ私、むかしから普通に話していても「怒ってる?」っていわれるタイプだったからなあ。「要望」を伝えた先生も、ほとんど「非難」に感じ取って悩まれたのだろうなあ。「伝え方」ももう少し勉強しなくては。
  それにしても今回、こうした「凄み」のある地雷を踏んで、「この業界、ちょっとコワいな」と思った。今回の顛末、どこかの国の政治家が失脚するプロセスに通じるものがある。