インタプリタかなくぎ流

いつか役に立つことがあるかもしれません。

2020-03-01から1ヶ月間の記事一覧

「Pretender」とシンコペーション

YouTubeでチャンネル登録していつも見ている、Dr. Capital氏の動画。先日はOfficial髭男dismの「Pretender」を取り上げていました。いつもの通り、音楽理論の豊富な知識を背景に、「こんな魅力が隠れていたのか!」と気づかせてくれる切り口がとても新鮮です…

自宅でのバーチャルなお稽古

週末はできるだけ外出を控えるということでずっと家にこもっていました。せっかくの週末、仕事をする気にもならないので(こらこら)積ん読してあった本を片っ端から読んでいます。でもそれだけでは腰を痛めるので適度に運動、あとは家事。それからお能の稽…

薄暗がりが好き

私は「薄暗がり」が好きです。と言ってもそれは屋内についてだけで、屋外に出たらぱあっと明るいほうが好きですが。特に今日のような雪が降っている日など、しんと静まり返った家の中で電灯はつけず、雪の白さに反射してわずかに入ってくる外の明るさだけで…

社会の静けさに明るい未来を見る

都民は不要不急の外出を避け、できるだけ自宅にとどまってほしいという呼びかけをうけて、ずっと家にこもっています。もともとはこの週末にチケットを買ってあったお能の公演があったのですが、ぎりぎりまで開催を模索したものの結局延期になりましたという…

「プレッパー」ではなかった私たち

不要不急ならぬ「必要火急」の用事で都心に出た帰り、いつものスーパーに夕飯の材料を物色しようと立ち寄ったら、レジに長蛇の列ができていました。「あ、もしやこれは……」と思って売り場に回ってみると、案の定あちこちの棚が空っぽの状態に。ざっと見たと…

謝辞なんていらない

ネットで検索していたら、とある大学での卒業式における「謝辞」を見かけました。型通りのものとは全く違ったスタイルのその謝辞は、SNSなどでも「パンク」だ「ロック」だなどと形容され絶賛されていました。www.univ.gakushuin.ac.jp個人的にはこの謝辞で、…

ヨタへロ期

東京新聞の朝刊を読んでいたら、「ヨタへロ期」という言葉に遭遇しました。評論家の樋口恵子氏の造語で、健康寿命(自立して日常生活を送れる期間)と平均寿命の間の十年前後を指すのだそうです。加齢により様々な場面で自分の思うように行かないシチュエー…

「言の葉」のフィンランド

職場から業務は基本的に「テレワーク」として学校へは極力出てこないようにとのお達しがあり、通勤時間の浮いたぶん、これまで「積ん読」だったたくさんの本を消化できるようになりました。とくに大部の本はこうやってまとまった時間があるときじゃないとな…

電子書籍が「どうしてもダメ」な理由

私は電子書籍が苦手です。とはいえ、これまでにおよそ150冊くらいは購入してきました。これだけ普及しているのに電子書籍に手を出さないのも何だか固陋で頑迷な爺さんまで一直線のような気がしますし、使ってみれば新しい発見があり、自分も変わるかもしれな…

フィンランド語 56 …受動態現在形

新型コロナウイルスの影響で二回ほど休講になったあと、ようやく授業が再開されました。「クラスター感染」を防ぐ意味からは、①小さな教室内で、②先生と生徒が密集して、③近距離で会話するのはどうかとも思いましたが……。一応学校の判断で、教室のドアは開け…

バッハ・古楽・チェロ

先日の東京新聞に、オランダのチェリスト、アンナー・ビルスマ氏のCDに関する小さな記事が載っていました。親交のあった日本の音楽評論家・佐々木節夫氏の死去に際し、ビルスマ氏の発案によって東京の教会で行われた追悼コンサートを収録したCDが発売された…

多様性の意味を分かっていなかったのかもしれない

BLOGOSで偶然みつけたこちらの記事、とても興味深く読みました。現在国境も言語も超えて一元的に運営されているTwitterが、近い将来「分散型SNS」に移行するという話題です。特に「ドメインブロック」を利用して分散化したSNS同士が「嫌なら見るな」ないしは…

職員室のモノを捨てる

題名にある通りの、そのものズバリの本です。小学校の教諭である丸山瞬氏が、職員室にあった何十年前のものとおぼしき「ベル」を片付ける話から始まるその内容は、学校現場に勤めたことがある方なら誰もが「そうそう!」と頷くことしきりです。そしてその一…

無邪気な冷笑

ジムでベンチプレスの休憩をとっているときに、トレーナーさんと「五輪は延期ですかねえ」という話になりました。新型コロナウイルスによる感染症が、WHOも「パンデミック」だと認めざるを得ないほど広がっている昨今。それでも「開催一択」といい続けている…

メタボよりロコモ

書店で偶然、面白い題名の本を見つけました。その題名の通り、フィジカルトレーナーである中野ジェームズ修一氏が、様々な職業の「運動嫌い」の方々と対談しながら、運動やトレーニングの意義を説明する本です。 中野ジェームズ修一×運動嫌い: わかっちゃい…

やはり「不要不急の外出は避けるべき」なのか

在宅勤務や自宅待機ばかりで身体がなまってしかたがないので、いつも早朝に通っているジムに行ってきました。今月に入ってずっと休業状態だったのですが、今日から業務再開になったからです。スタジオレッスンなど、人数を制限するなどしていたみたいですが…

おでん・ド・ブラン

毎年冬に何度か作る「おでん・ド・ブラン」。白い食材ばかりで作った淡白なこのおでんは、写真家・現代美術作家の杉本博司氏が『趣味と芸術――謎の割烹 味占郷』で紹介されているものです。 趣味と芸術 謎の割烹 味占郷いまAmazonでこの本を検索してみたら、…

自分の職場で感染例が伝えられたら

先日、私が勤めている学校の職員が「新型コロナウイルス」に感染していたことが分かりました。ご本人は軽症でいたって元気だそうですが、感染の拡大を防ぐため、この職員と近くで接触した職員は自宅待機+経過観察、学生は全員立入禁止、図書館や購買や学食…

語学と辞書について

昨日は奉職している学校で教員のミーティングが開かれました。新年度を控えて、授業のスケジュールやカリキュラム、シラバスなどを確認する会議です。その場所で、ある日本語の先生からとても興味深いお話を聞きました。いわく「留学生が、ネットの辞書で調…

通訳というおしごと

関根マイク氏の『通訳というおしごと』を読みました。通訳業界の現状、通訳者としてのデビューからステップアップ、現場での心構え、通訳者のセカンドキャリアまで、通訳の語学としての側面よりも「おしごと(業務)」そのものにスポットをあてて書かれた一…

別役実さんのこと

今朝の新聞で、劇作家・別役実氏の訃報に接しました。別役氏といえば日本における「不条理演劇」の代表的な作家。そも「不条理」という言葉を知ったのも高校時代に別役氏の演劇に接してからでした。確か高校の演劇部が文化祭が何かで上演していた「死体のあ…

自粛ムードの春に

昨日の朝、ブログに投稿したあと、ネットで以下の記事をつづけて読みました。いずれもこのまま社会の停滞を座視せず、普段の暮らしを取り戻そうと訴える内容です。本当に、おっしゃる通り。今回の「新型コロナウイルス」騒動、もうそろそろみんな頭を冷やし…

人が少ないことを喜んでいいはずなのに

昨日は、とある学校の無料公開講座に出かけてきました。講師として一時間半ほど模擬授業をするんですけど、昨今のご時世を反映して参加された方は通常よりもかなり少なめでした。それでも来てくださる方がいるのですからありがたいことです。ただ、申し込ま…

こまやかな中国語に憧れる

昨日は通訳学校秋学期の最後の授業日でした。この学校では最終日に、これまでの訓練の総仕上げとして外部から専門家をお招きして講演を行っていただき、その内容を通訳するという実習が行われます。昨日の講師は、中国の大学を卒業されたあと日本の大学院で…

もっと「ゆるい」働き方を

新型コロナウイルスの影響が社会のあちこちに出ています。私の職場でも年度末の授業や行事がすべて中止になりました。日本留学の記念ということで、卒業式に着物や袴を着ようとしていた留学生もいるんですけど、その卒業式自体がなくなってしまいました。せ…

豪華だけれど薄っぺらい

先日所用で東京は青山のお洒落な界隈を歩いておりましたら、なにやらこれまたお洒落なカフェテリアに遭遇しました。アジア的な麺料理(スープのない焼きそば系)と様々なデリカテッセン(お惣菜)を選んでワンプレートにしてくれるというのがコンセプトらし…

自律的な学習って?

多くの学校が年度末を迎えるこの時期、私の職場でも今年度の総括と来年度の準備が始まっています。こうした年度や学期の変わり目によく行われるのが学生さんへのアンケート調査です。学校の授業や事務や設備、その他もろもろについて、感想や不満や要望など…

か・ち・も・な・い

体幹トレーニングや筋トレなどの「朝活」で通っているジムから、件名に【重要】と書かれたメールが次々に届きました。「2月29日の安倍首相の記者会見を踏まえて、弊社ではお客さまならびに従業員の健康と安全確保のため店舗の臨時休業を決定しました」とのこ…

お土産は籠の鸚鵡

先般、NHK『チコちゃんに叱られる!』の「岡村の嫁探し」について、その古い言語感覚はいかがなものか、というような文章を書きました。同じように感じておられる方は多いんじゃないかなと思い、何らかの動きがあるかしらと変な意味で先週の放送を意味で楽し…

トイレットペーパーがなくなったら困る?

新型コロナウイルスの感染拡大を受けて、トイレットペーパーが売り切れになるとか、購入制限が設けられるとか、長蛇の列ができるとか……そんなニュースに接しました。昔懐かしい(?)オイルショック時のあの「古典的デマ」が現代において再現されたことに、…