インタプリタかなくぎ流

いつか役に立つことがあるかもしれません。

2020-01-01から1ヶ月間の記事一覧

一律に排除することへの違和感

新型肺炎のニュースが毎日大々的に流される中、私としては職場の同僚である中国人や、日本に留学中の中国人に、差別的な言葉が投げつけられないだろうかというのが気がかりです。SARSの時もそうでしたが、「正しく知り、正しく怖がる」ことができずに、中国…

「募ってはいるが募集してはいない」という発想

昨日Twitterで、こんなツイートを目にしました。毎日新聞写真部の公式アカウント(@mainichiphoto)によるものです。参院予算委員会で「#募る」と書かれた資料を手にする安倍晋三首相です。「桜を見る会」を巡る問題で、自身の地元事務所が「功績」などと無…

語学の「見取り図」

中国語を学び始めて何年ぐらい経った頃でしょうか、あるとき「中国語とはこんな言語だ」という大まかな姿が見えてきたような感覚になったことがあります。最初は山の麓の樹海にいて周りの視界がまったくきかなかったところから、中腹まで登ってきて周囲の状…

折り目正しい母語を話したい

入学試験のシーズンを迎え、私が奉職している専門学校でもすでに何度かの試験が行われました(一次募集、二次募集……と何度か試験があるのです)。筆記試験の他に面接試験があって、私もよく動員されます。面接試験では、日中通訳のクラスを志望する受験生に…

結婚も幸せの形も人それぞれ

先日の国会、衆議院での首相の施政方針演説に対する代表質問で、選択的夫婦別姓の導入を訴えた野党の代表に対して、「だったら結婚しなくていい!」とヤジを飛ばした議員がおりました。あまりの愚劣さに驚きますが、この議員が「してやったり」とばかりに勇…

「自制」にたよらず「福流」をめざす

昨日は中国語圏のお正月「春節」でした。でも私の職場は日本の暦で動いているので関係なしに授業があります。中国語圏の生徒さんも「元日」から学校にやってきます。正月気分もなにもあったもんじゃないですね。お疲れさまです。午前中の仕事を終えてすぐに…

お腹をへこませたい?

腰痛と肩こりの解消を目指し、パーソナルトレーニングのジムに通い始めて二年あまり。腰痛は今でも時々襲ってきますが、それでも能動的に身体を動かすことで、以前のようなひどい状態に陥ることはほとんどなくなりました。身体が快調になると欲が出るもので…

留学生の「日本人化」

教師というお仕事を長くやっていると、いろいろな生徒さんのクラスに遭遇いたします。日本人(日本語母語話者)だけのクラス、華人(中国語母語話者)だけのクラス、日本人と華人の混成クラス、はたまたそれ以外の外国籍の方が多数参加しているクラス……。面…

武漢の新型肺炎とネット翻訳

中国の武漢で拡大が続いているとされている新型ウイルス肺炎、日本での報道が加熱してきました。報道に接する私たちは「正しく知り、正しく怖がる」ことが大切だと思うのですが、こうなってくると物事を冷静に判断できない人が増えてくるのは世の常。かつて…

貧むす

深谷かほる氏のマンガ『夜廻り猫』に出てくるたべものには、無性に作りたくなる(それも夜遅くに)ものがいくつもあります。そのうちのひとつ「貧むす」。海老天じゃなくて、天かすが入ったおむすびなので「天むす」ならぬ「貧むす」なんですけど、三つ葉の…

中国のプラ規制に背中を押されて

昨日の朝、テレビを見ていたら「中国政府が使い捨てプラスチックの規制を強化」というニュースに接しました。www.newsweekjapan.jpつい最近まで、資源ごみとしての使用済みプラスチックを各国から輸入していた中国ですけど、それをほぼ停止し、さらには自国…

フィンランド語 54 …所有接尾辞

一年半以上かけて学んできた教科書も最後の課までたどりつき、教科書を離れて新しい内容を学びました。「所有接尾辞」です。これは例えば「minun nimi(私の名前)」のように、名詞に人称代名詞の属格がつく場合に、その名詞にも所有を表す接尾辞がつくとい…

娑婆よのう

むかしむかし、熊本の田舎に住んでいた頃、近所のおじさんが急逝したことがありました。私はその知らせを別のおじさんから聞いたのですが、その時におじさんがぼそっとつぶやいた「娑婆(しゃば)よのう……」という言葉をいまでも時々思い出します。急逝した…

からだの使い方を「発散」させる

ここのところずっとご無沙汰だった腰痛に襲われてしまいました。年末年始の自堕落な生活に加えて、音声を聞きながらの長時間の採点を何日間も続けていたからじゃないかと思います。ジムのトレーナーさんがおっしゃっていましたが、デスクに向かって座り、長…

ユーチューバーと蔡英文氏の話し方に圧倒される

先日も記事を書いたのですが、私は人前で話すのが苦手です。語学関係の「商売」をしておきながら「話すのが苦手」もないだろうと自分で自分にツッコミを入れたくなりますが、本当に苦手。苦手なだけじゃなくて「下手」だとさえ思います。これでもアナウンス…

生ハムのしゃぶしゃぶ

週末に「家飲み」で来客があったので、おつまみにと生ハムのパーティパックを買いました。ところが思いのほかみんな手が伸びずにけっこうな量が余ってしまったので、どうしよう、これ……というわけで、ネットを検索してみましたら、「生ハムのしゃぶしゃぶ」…

機械翻訳は便利だけれど

昨年の夏、フィンランドを旅行した際に泊まった「民泊」のおかみさんからAirbnbのサイトを通してメッセージが届きました。フィンランド語なので、じーっと見つめて「こんな意味かしら」と見当をつけてから、おもむろにGoogle翻訳へ放り込んで文意を確認しま…

脱・筋トレ思考

先日、通っているジムでたまたま休息時間が重なったお一人から声をかけられました。「ずいぶん筋肉がついてきましたね」。この方はよくジムでお見かけするので私も見知ってはいましたが、お話ししたことはありませんでした。「あ、あの方、またいらしてる」…

「式」が苦手です

昨日は成人式が全国各地で行われたんですって? 私は成人式というものに出たことがないので実感としてよくわからないのですが、二十歳を迎える方々にとってはけっこう大切なイベントなんですね。私の実家がある北九州市は「ド派手」な衣装に身を包む方々がど…

優れたユーチューバーの話し方

語学講師や通訳者といった「人前で話す職業」に長年就いているというのに、いまだに人前で話すのが苦手です。そう言うと周囲の方からは「またまた〜」と突っ込まれるのですが、いや、これは謙遜とかそういうものではなくて、本当に苦手ですし、授業や会議な…

中国には恩がある

私、中国は「大好きだけれど大嫌い」です。「愛憎相半ばする」という言葉がありますけど、中国に留学していた当時から今に至るまで、ずっとそんな感情を抱いて過ごしてきました。中国に留学する前は単に「大好き♥」だったので、やはりこれはかの地に長く暮ら…

いまからもううんざり

予想はしていましたが、年が明けたらことさらに「オリンピック」を盛り上げようとする声喧しくて、もう本当にうんざりです。ふだんからテレビはあまり見ないのですが、その少ない視聴時間でも「多いな」と感じるんですから、これから先、「本番」が近づくに…

サ道とサ旅

タナカカツキ氏のマンガ『サ道』の第三巻を読みました。今回も「サウナ大使」のサウナ愛が炸裂して面白かったですが、日本のサウナに多いドライサウナ、なおかつ騒がしくて明るすぎるサウナが苦手とおっしゃる部分、私も同感です。 マンガ サ道~マンガで読…

プラスチックマトリョーシカ

ネットで検索していて「プラスチックマトリョーシカ」という言葉を見つけました。日本におけるプラスチックやビニールなどによる過剰包装を形容した言葉です。うまいことおっしゃるなあ。記事を書かれているのは、現在フィンランドに留学されている日本の大…

海洋ゴミに関する通訳教材

留学生の通訳クラスで、こんな映像を教材に使ってみました。いま大きな問題になりつつある「海洋ゴミ」をテーマにした講演です。【一席】劉永龍:海洋垃圾為什麼是個問題いま現在わたしたちが直面している、待ったなしの課題を扱っています。こうした内容を…

雪が「hi-la-ha-la」と降ってくる

なにかの外語を学んで「達人」の域に達した方が、自分の母語と比較してその外語を語っている文章を読むのが好きです。どうやって外語を学ぶのかというヒントが見つかるのもさることながら、そうした方、例えばそれが日本語母語話者であれば、その視点は母語…

「次の時代に生きていける」スキルって?

いつも拝見している、ちきりん氏のブログで、昨年末にこんな記事が公開されていました。chikirin.hatenablog.com中高年が大量にリストラされる時代がやってきたというのがお話の前提で、中高年の私には切実な話題です。ちきりん氏によれば、それは世界全体で…

フィンランド語 53 …子音の重なり

調べ物をしていて偶然ウィキペディアの「フィンランド語」という項目を読んだのですが、フィンランド語の発音について今更ながらではあるものの興味深いことが書かれていました。 フィンランド語においては子音が重なっているか否かで異なる意味になることが…

ひつじのにおい

先日帰省した際に門司港駅周辺を散策していたら、レトロなビルの一階に洋服屋さんがあったので冷やかしに入ってみました。そこで見つけたのがこのセーターです。試着してみたらちょうどいいサイズだったので、衝動買いしてしまいました。いいなと思った理由…

ケンジとシロさん

元日はどこにも行かず、一日中家にこもっていました。外へ出たのは郵便ポストに入っている年賀状を取りに行ったときだけ。でも年賀状はここ数年出すのをやめてしまっているので、届く枚数も年々減り続け、ついに今年は数枚にまでなりました。毎年不義理を働…