インタプリタかなくぎ流

いつか役に立つことがあるかもしれません。

2019-05-01から1ヶ月間の記事一覧

しまじまの旅 たびたびの旅 86 ……戸隠神社と小さな湖

奉職している学校の留学生と一緒に、長野県へ合宿に行きました。戸隠神社の「奥社」は初めて行きましたが、参道の杉並木がまるでギリシャやエジプトの大神殿に並んでいる柱のようで、壮観でした。合宿施設のそばには小さな湖があって、手漕ぎのボートを貸し…

“不成熟”な初老の私

私はすでに「初老」と呼ばれてしかるべき年齢です。初老なんて、個人的にはかなり心理的インパクトのある呼称ですけど、NHK放送文化研究所が約十年前に行ったアンケート調査によれば、当時の人々が考える初老の平均年齢は57歳。これには男女差があって、男性…

語学クラスにおける日本人と華人の「生態」の違い

語学の授業をしていると、日本人(日本語母語話者)の生徒さんと華人(中国語母語話者)の生徒さんでは生態(失礼)がまったく違うことに気づきます。日本人の生徒さんはとにかく静かです。語学の授業なのにずっと押し黙っていて、「分かりました?」とか「…

「かぶる傘」ではなく日傘を買いました

五月としての史上最高気温が各地で更新されている日本。東京も数日前から尋常ではない暑さになっています。うちの職場は服装自由なので、私はすでに上はポロシャツ一枚で通勤していますが、今からこれだと六月や七月はどうすればいいんでしょう。というか、…

一連の「浮かれよう」を目の当たりにして

東京都心の上空、昨日はやけにヘリコプターの爆音が聞こえましたが、これはアメリカのトランプ大統領が来日しているからなのかな? ここ数日、通い慣れた都心の街並みのあちこちに普段は見られない警官が立っているのに気づきましたが、これもおそらく警備の…

「高齢男性はそこにいるだけでキモいもんじゃないか」をめぐって

いつも拝見しているfinalvent氏の『極東ブログ』に、興味深い記事が載っていました。同じくこれもいつも拝見している鴻上尚史氏の『AERA dot.』での連載「鴻上尚史のほがらか人生相談~息苦しい『世間』を楽に生きる処方箋」の一記事、「66歳男性が風呂場で…

フィンランド語 36 …数字のあれこれ

ずっと以前にフィンランド語の数字を学びまして、時間の言い方や買い物での金額の言い方などを練習してきました。フィンランド語の数字はそんなに複雑な規則(例えばフランス語とか中国語のような)はありません。0 nolla 1 yksi 2 kaksi 3 kolme 4 neljä 5 …

カードの不正使用に遭いました

クレジットカードのA社から電話がかかってきて、「iTunes Storeで妙な決済が続いていますが、ご本人のお買い物ですか」と言われました。身に覚えのない支払いなのでその旨伝えると、すぐにカードを止めてくれました。誰かに不正使用されていたわけですね。私…

公式サイトや研究不正に見る翻訳への無理解

これまで、東京都台東区公式サイトや元SMAPメンバーによるユニット「新しい地図」における、機械翻訳丸投げによる珍妙な中国語や英語をさんざっぱら批判ないし揶揄してきました。こうしたサイトの珍妙な翻訳は、私が奉職している学校の幅広い国や地域の留学…

星条旗の51番目の星

スマホで中国語の講義をいろいろと聴ける『得到』というアプリがありまして、その中の名物講義のひとつに“罗胖老师”こと罗振宇氏の『罗輯思維』というのがあります。ご自分の姓“罗(羅)”を使い、“逻辑思维(ロジカルシンキング)”をもじって『罗輯思維』で…

骨盤を動かして腰痛を直す

二十代の頃から腰痛に悩まされてきましたが、体幹トレーニングを始めてからは以前のようなひどい状態にはならなくなりました。それでも時々、特に椅子に座りっぱなしのデスクワークを長時間続けていると腰が「しくしく」言い出すので、そんなときはジムで教…

「舞」と「筋トレ」の共通点

先日ジムで体幹トレーニングをしていたら、トレーナーさんに「ずいぶん体幹がしっかりしてきましたね」と言われました。例えば「ダイアゴナル」と呼ばれる片方互い違いの手足(例えば右手と左足)をそれぞれ伸ばしたり縮めたりする動きなど、確かに以前はか…

フィンランド語 35 …過去形の否定形

動詞の過去形の、否定形を学びました。過去形の否定形には「過去分詞」を使います。この過去分詞はのちのち現在完了形や過去完了形にも使われるそうです。Minä en Sinä et +過去分詞(単数) Hän eiMe emme Te ette +過去分詞(複数) He eivät過去形の変…

そうか『プレバト!!』はカルチャースクールのノリなんだ

『プレバト!!』というテレビ番組をご存じでしょうか。もともとは『使える芸能人は誰だ!?プレッシャーバトル!!』といって、芸能人の様々な才能を「査定」するというバラエティ番組です。通常は毎回二つのテーマで「査定」が行われていて、そのうち一つは人気…

「着るものについて学ぶ」のその後

絶望的にファッションセンスがないものの、ビジネスカジュアルで通勤するようになって以降、「制服」みたいに着られる定番のコーティネートを探していました。制服というなら毎朝ほとんど何も考える必要のないスーツを選べばよいのですが、はっきり申し上げ…

我先にと殺到する雰囲気

先般、2020年の東京オリンピック・パラリンピックのチケット申し込みサイトにアクセスが殺到というニュースが流れていました。www.nikkansports.comこの申し込みサイトは「購入申し込み」を受け付けるだけであり、申し込み者多数の場合は抽選になりかつ「申…

着るものについて学ぶ

私はファッションセンスがありません。かつては美術大学で学んでいたのですが、その当時から現在にいたるまで、とにかく服のセンスがダメダメで、特に色彩感覚というか色彩のセンスが絶望的に乏しい人間です。なにせ、英語のロゴが大きく入ったパステルカラ…

「ひとさまの通訳を聞いて」のその後

先日、北海道日本ファイターズの台湾人選手・王柏融氏へのヒーローインタビューで、通訳者さんの訳がテキトーすぎるんじゃないか、ファンは怒った方がいいんじゃないかという記事を書きました。qianchong.hatenablog.comこれについて、Twitterで野球やスポー…

フィンランド語 34 …動詞のまとめ

フィンランド語、まだまだ細々と学び続けています。動詞の過去形を一通り学び終えたので、先生から「ここいらで動詞の現在形と過去形を復習してみましょう」と促されました。 動詞の人称変化 フィンランド語の動詞は「人称変化」をします。つまり1・2・3…

歯の健康と経済状況、そしてQOLの向上

東洋経済オンラインに、興味深い記事が載っていました。マンガ『闇金ウシジマくん』の作者・真鍋昌平氏の、取材で出会った人々に関する述懐です。toyokeizai.net 「カウカウファイナンス」で働く従業員の過去も描いた「ホストくん」編では、50人くらいに会っ…

Suicaに慣れるとクレジットカードすら「めんどくさい」

留学生の通訳クラスで教材として使える短いニュース映像はないかな……とYouTubeを検索していたら、こんなのがありました。フリマアプリの「メルカリ」が運営する電子決済システム「メルペイ」が支払額の最大70%をポイント還元するキャンペーンを始めた、とい…

ひとさまの通訳を聞いて

これまで、自分が通訳している音声や映像がネットにアップロードされたことが何度かありました。それはラジオ番組だったり,YouTubeだったりするのですが、業務終了後も半ば永遠にこうやって訳出が晒されるのって、ちょっと理不尽でもありますよね。それはさ…

ごはん、作りたくないですか?

先般の十連休に入る直前、同僚のとある知り合い(共働きの女性)が嘆息していたという話を聞きました。いわく…… 十連休なんてとんでもない。混雑が嫌いだからどこにも行けないし、家族4人分、朝昼晩のごはんを10日間作らなきゃならない。4人×3食×10日間で…

「お疲れ様」をめぐって

先日、Twitterでたまたまこんなツイートを目にしました。ファッションモデル・歌手・女優(Wikipediaより)の山田優氏がインスタグラムに書き込んだ「天皇皇后両陛下お疲れ様でした」という言葉が失礼だとして「炎上中」というのです。山田優さんの「天皇皇…

バリューブックスの新サービスを利用してみました

ゴールデンウィークの間に本棚の断捨離をしました。これは年に何回かやっていて、そのつど「古本募金」に寄付してきたのですが、今回はバリューブックスさんの新しいサービスを利用してみることにしました。こちらが一箱あたり500円の送料を負担するかわりに…

ジャガーの眼

劇団唐組の『ジャガーの眼』を観てきました。東京は新宿の花園神社境内、特設のテント小屋。この光景はかなり懐かしいです。劇作家で俳優の唐十郎氏が率いる状況劇場・紅テント。劇団唐組はその流れをくんでいて、座長は今でも唐十郎氏ですが出演はしていま…

前例を覆した結果

昨日の東京新聞、師岡カリーマ氏による「本音のコラム」では女性皇族の儀式不在を取り上げていました。儀式に女性皇族を出席させないという「伝統」に疑問を呈し、前例がないという向きに対しては「儀式における洋装も、かつて『前例を覆した』結果」ではな…

傍若無人な方々

ゴールデンウィーク中、スーパーへ買い出しに行くと結構な人出です。特に今年は十連休でほとんどお正月のようなノリになっているからか、普段は並ばないような豪華な食材がどーんと売られていたりして、普段は買い出しになど来ないおじさんたちやお子さんた…

ふたたび見知らぬ人に声をかける

先日東京メトロの青山一丁目駅、半蔵門線のホームを歩いていたら、大道芸でジャグリングだか奇術だかをやっていそうなコスチュームの欧米人とおぼしき男性がいました。素敵な格好だったので思わず「その服、いいですね」と声をかけようとしたんですけど、な…

李叔同の書

清末・民国初期の詩人・書家にして教育者でもあった李叔同(り・しゅくどう、号:弘一)という人がいます。天津生まれのこの人のことを、私は天津留学時に知りました。当時、大学に書を学びに来ていたとある韓国人留学生から教えていただいたのです。特に彼…