インタプリタかなくぎ流

いつか役に立つことがあるかもしれません。

2019-04-01から1ヶ月間の記事一覧

まるで大晦日のような

新聞各紙の朝刊一面に載っているコラムは、文章のたいがいが情緒的で、特に最後を「ちょいと上手いこと」言って締めくくりがちなものですが、今朝の東京新聞「筆洗」は筆を洗いすぎたか薄墨色に過ぎるというか、情緒の含有量が高すぎてちょっと勘弁してほし…

トリですよ

能のお稽古をしている人たちが年に一回か二回ほど発表会を行うことがあります。「素人会」とか「温習会」などとも言われるこの発表会は、玄人の能楽師と同じように能舞台に立てる機会なので、愛好者にとってはとても楽しみでありかつ緊張する時間です。素人…

健身房裡面面觀

タイトルの中国語は「トレーニングジムに見るあれこれの人間模様」みたいな意味です。「男性版更年期障害」による不定愁訴の改善を目指して週に数回のパーソナルトレーニングを一年半ほど続けてきましたが、四月からは「朝活」として職場近くのジムにも通い…

背景知識が後押しする訳出

こちらの動画、任天堂がアメリカで『ポケットモンスター Let's Go! ピカチュウ』というゲームをプレゼンテーションする「ツリーハウスライブ」の様子です。youtu.beこの映像を見て、多言語コミュニケーションの新しい地平を見るような感覚にとらわれました。…

拙を守って田園に帰る

毎朝毎晩、通勤電車に揺られるたびに、人の多さに酔いそうになります。自分もその「人」のひとりであるのですから、全く身勝手なものいいですが、東京都心の、出退勤時の人の多さはちょっと異様ですよね。これでも「ピークオフ」と言いますか、ジムで朝活を…

ファミマのパスタサラダをシェイクする留学生

今日の学校のお昼休みに、華人留学生数名が、教室で何やらプラスチックの箱のようなものをシャカシャカと音を立てて振っていました。「何ですか、それ?」と聞いてみると「ファミマのパスタサラダです」とのお答え。このパスタサラダは彼らの中でちょっとし…

北欧風のオープンサンドイッチ

昨年初めてデンマークに行ってから、北欧風のオープンサンドイッチにはまっています。もともとサンドイッチが大好きで、何十年も前に買い求めた坂井宏行氏の『サンドイッチ教則本』に載っていた、コペンハーゲン伝説のオープンサンドイッチ店「オスカー・ダ…

セレクトショップにおける言葉の経済性

週一回、東京から横浜まで電車に乗って、フィンランド語の講座に通っています。わざわざ横浜まで通うのはたまたま都心に私のレベルに合ったクラスが開講されていないからですが、行き帰りの30分ほどの車内で予習や復習ができるので、通うのもそんなに苦には…

容赦なく追い込める

先日ジムでパーソナルトレーニングを受けていたら、トレーナーさんが面白いことをおっしゃっていました。「お客さん(私のこと)だから追い込めるんですよ」。ここのジムは予約不要で、行ったときにたまたま空いているトレーナーさんが指導してくださる(カ…

祝祭ですからね

若い頃、小さな出版社に勤めていました。官庁や企業から注文を取って、社会保険関係の出版物を編集する会社です。年金や健康保険、福利厚生などに関するパンフレットやリーフレット、読み物、広報誌、各種のお知らせ資料などを作っていました。当時から国民…

「くっついていればいいじゃん」的な行動原理が実に興味深い

世界各国から集まっている留学生の立ち居振る舞いを見ていると、それぞれの民族性とかお国柄とか、あるいは世代の差のようなものが垣間見えて、とても面白いです。新学期が始まったこの時期は、学校の教務から様々な書類の提出を求められ、中には例えば保険…

「めっちゃ、ヤバいっす」をめぐって

日頃から、いわゆる「日本語の乱れ」についてはできるだけ寛容でありたいと思っています。私は日本語母語話者ですが、言葉は世につれ人につれ常に変化していくものですから、私の「よし」とする日本語だけが正しいとはとても言えないからです。これはまた、…

無理して知ろうとしない

NHKの『世界ふれあい街歩き』、いつも楽しみに見ているこの番組の先回は、イタリアはシチリア島の都市、パレルモの巻でした。www.nhk-ondemand.jp「古代から東ローマ、イスラム、ノルマン、スペインなど支配者が代わった歴史が、異文化に寛容で独特な文化を…

顔を名前をQuizletで一致させる

勤務先の学校では新しい年度が始まって、今年も四十名ほどの新しい留学生が入学してきました。この時期にもっとも苦労するのが、留学生のみなさんのお名前を覚えることです。中国語圏のみならず、世界各国から集まっているのでそれぞれの言語での名前の呼び…

とてもワガママな電子マネー評

スマホ決済アプリの「LINE Pay」と「PayPay」、それぞれ一万円ずつチャージしてしばらく使ってみました。私はもとよりキャッシュレス化に大賛成で、ほとんど現金を持ち歩かない生活になっており、加えて「新しもの好き」なので試してみたくなったのです。こ…

留学生の通訳教材に頭を悩ませる

新学期が始まるこの時期。今年も外国人留学生の通訳クラス(私の場合は華人留学生の「中日通訳」)を担当することになるのですが、毎回教材の準備に頭を悩ませています。ある程度訓練が進んだ生徒なら、ネットに数多ある動画から講演やセミナーや説明会など…

語学に全人生を捧げない

単なる思いつきで学び始めたフィンランド語、いまも細々と続けています。「猫の言葉」と呼んだ先達がいるほど「ニーン」とか「ニュット」とか「モイモイ」とかカワイイ発音が多いフィンランド語ですが、一方でその複雑な格変化などから「悪魔の言語」とも形…

「落とし穴満載感」ハンパない通訳者のお仕事

「シンクロニシティ」という現象をご存じでしょうか。Wikipediaには「複数の出来事が意味的関連を呈しながら非因果的に同時に起きること」と何やら難しいことが書かれていますが、要するに特に意図したわけでもないのに暮らしの中で起こる奇妙な符合のことで…

校則をなくしちゃった中学校

先日、服装に関する校則についてエントリを書いたんですけど、昨日はネットで偶然こんな記事を読みました。news.yahoo.co.jpこれはすばらしい取り組みだと思います。数々の校則を「そもそも、これ、いる?」とみんなで考えていった結果、校則そのものがなく…

Simon Stålenhag 氏の世界にひかれる

スウェーデンの画家で Simon Stålenhag という方がいます。私はずいぶん前にネットでこの方の絵を見かけて、その独特の世界観に引き込まれてしまい、画集こそ持っていないのですが、ちょくちょく氏のウェブサイトに行ってはその作品の数々を眺めています。ww…

鯖サンド

いつもランチ用のサンドイッチを買っているパン屋さんで、おもしろい「鯖サンド」を見つけました。鯖のフレークに紫蘇と水菜と「柴漬け」が入っているのです。この柴漬けが鯖によく合って、とてもおいしいサンドイッチでした。これはいいなあ、ということで…

そばですよ

昔から「立ち食いそば」ファンです。駅のホームや駅周辺にあるお店で、特に寒い冬の朝など、出勤途中に食べるのが大好きでした。「でした」というのは、最近はあまり食べなくなってしまったからで、それは仕事のサイクルと場所、それに住んでいる場所の関係…

容姿に干渉する校則はいらないんじゃないか

先日トレーニングに行った際、インターバルの時間にトレーナーさんから興味深いお話を聞きました。トレーナーさんのごきょうだいは中学校の先生だそうですが、この学校は校則がものすごく厳しいのだそうです。制服はもちろん、髪型にも厳格な規定があり、女…

ゴールデンタイムへの進出を期待しています

十年以上読み続けている、よしながふみ氏のマンガ『きのう何食べた?』。主人公が自分と同年代で、実際の時間の流れと同じ速度で歳を取っていくこと、中年期に「あるある」な自分の身体の変化や親との関係、働きながら家事も担当する(当たり前ですけど)男…

専門家に教わる

不定愁訴、それに夜も寝られないくらいの肩こりと腰痛の改善を目指しパーソナルトレーニングに通い出して一年半ほど。この間の「収穫」は大きいものでした。不定愁訴(男性版更年期障害?)はほぼ雲散霧消しましたし、肩こりもほとんどなくなり、腰痛は……こ…

粉もん好きにうれしいハーブパイ

最近は野菜と蛋白質を多くとって糖質を控えめにしようとしているのですが、生来の「粉もん好き」なので「糖質制限」とまでは行きません(し、そこまでする気も実はない)。それでも若い頃のように山盛りチャーハンや特盛りつけ麺をほとんど飲み物のようにお…

出勤前に「ととのう」

いまの職場に定期的に勤めるようになって数年、職場から歩いて五分ほどのところにスポーツジムがあることに気がつきました。今頃気づくというのも迂闊なことですが、いつも利用している地下鉄の出口とは別の出口近くにあって気づかなかったのです。いかに判…

苦手な春に

私は春が苦手です。新年度や新学期ということで、何かこう、世の中全体が浮き立つような感じになっている、その「わさわさ」した感じに心落ち着かなくて。三寒四温で気温が乱高下するため体調を崩しやすいですし、花粉症ではないものの何となく鼻がむずむず…

琺瑯の食器に勝手なノスタルジーを感じる

先日、うちの学校を卒業していった中国人留学生から「お世話になりました」と小さな包みが届きました。中に入っていたのは、これ。琺瑯引きの蓋付きマグカップです。毛主席語録(毛沢東語録)を掲げた人々の図案は、かつての文革時に大量に作られたプロパガ…

古本屋さんの新しい試み

日常的によく本を買います。でもどんどん本棚に本が増殖していくので定期的に整理しています。この時代、電子書籍という選択もあるのですが、何十冊も読んでみて、私の場合はやはり頭の中に残らないことが分かりました。「新しもの好き」としては痛恨の極み…