インタプリタかなくぎ流

いつか役に立つことがあるかもしれません。

2019-01-01から1ヶ月間の記事一覧

ロイヤルコペンハーゲンの度胸

デンマークに「ロイヤルコペンハーゲン」という陶磁器ブランドがあります。「ロイヤル」の名の通りデンマーク王室の御用達だそうで、日本の古伊万里に影響を受けたといわれる藍色の唐草模様パターンがトレードマークのシリーズを始めとして、多種多様な製品…

男の編み物(ニット)橋本治の手トリ足トリ

昨晩、橋本治氏の訃報に接しました。今朝の新聞にも追悼記事が出ています。『桃尻娘』シリーズをはじめ、氏の作品はあれこれと読みましたが、私が最も影響を受け、かつ名著だと思っているのは、この記事にも「趣味を生かし、男性向けの編み物指南書も手掛け…

カタカナ用語が好きなんだなあ

今朝がた、2020年東京オリンピック・パラリンピックにおけるボランティアの愛称が決まったという報道に接しました。www.asahi.comオリパラについては、①大会役員やスポンサー企業は大儲けする一方での炎天下のタダ働きなどに応募する方の気が知れない+②国威…

愚直に楽しく語学を続けるために

先日、せっかく習い覚えた外語を忘れないために、ウェブ上の動画などを使って「聽說讀寫(聴く・話す・読む・書く)」を一応ひととおり鍛えられる方法をご紹介しました。qianchong.hatenablog.comあとは愚直にやるだけなんですけど、ディクテーションは少し…

語学と「恥」あるいは「芝居っ気」

日ごろ語学を教えたり、自らも生徒となって語学を学んだりしていてよく思うのは、語学学習の過程というのは一種の「演技」なんだな、ということです。唇や舌や声帯を日本語とは違うやり方でぎこちなく用いながら、そしておそらく日本語を話している時にはあ…

大きな声では伝わらないかもしれない

留学生に課題や練習方法の説明をしたり、教務(事務局)からの連絡事項を伝えたりする際、みなさん「聞いちゃいねえ……」と感じることがよくあります。若くて元気いっぱいだから、いつも教室は「わいわい」していて、なかなか注目してくれないということもあ…

自分ひとりで生きようとすること

先日、NHKの「ニュース9」で「九州大学 ある“研究者”の死を追って」という特集を放送していました。概要はこちらの特設ページで読むことができます。www3.nhk.or.jpこの特集は昨年の暮れに放送されたドキュメンタリー番組「事件の涙」を元にしたもので、多…

学んだ外語を忘れないようにするために

ある留学生からこんな質問を受けました。 センセは中国や台湾で暮らして中国語を学んだあと日本に戻ったそうですけど、その中国語をどうやって忘れないようにしていますか。 おおお、いいご質問です。確かに語学は筋トレのようなもので、外語はいわばその結…

「30歳の段階で貯金ゼロだった」をめぐって

こちらはTwitterのタイムラインで偶然目にした、ちきりん氏のツイートです。あたしは30歳の段階で貯金ゼロだった。その後は貯金しようとか考えなくてもどんどん貯金は増えていった。20代の時に貯金なんかせず、すべてを自己投資に注ぎ込んだおかげ。— ちきり…

キット・アームストロング氏の音楽

バッハに「パルティータ」という曲のシリーズがあります。バッハのなかでも特に好きな作品で、グレン・グールドが弾くそれは愛聴盤(ストリーミング時代に「盤」もおかしいですが)として繰り返し聴いています。open.spotify.comところが先日Spotifyで、これ…

茶髪や髭面はだめなの?

今朝の東京新聞に載っていた、ラグビー全国大学選手権に関する記事。明治大学が二十二大会ぶりに優勝を果たした要因には元監督による「競技外での指導」があったという「美談」です。以前の明大ラグビー部合宿所では玄関に履き物が脱ぎ散らかされていたのを…

なぜ運動選手がジムに通うのか

仕事でいくつかの場所に出向いたり、何かの集まりに参加したりする際、そこで会う方が同年代であった場合に必ずといっていいほど健康や体調の話になる——いやはや、情けないというか、イヤなお年頃になったものです。でもまあこれは仕方がありません。この年…

留学生と原稿用紙

仕事で留学生の作文を添削することがあるのですが、原稿用紙を使って書く際に、拗音や促音をこんな感じで一つのマス目に入れちゃう方がけっこういます。数えているわけではありませんけど、個人的な感覚ではこういうふうに書く方は全体の半分くらい、という…

下定決心,不怕犧牲。

華人留学生の通訳クラスで、教材に「爭取清真的商機」というフレーズが出てきました。「清真」は「イスラム教の」という意味で、「商機」は商機、つまりビジネスチャンスのことですから、いまふうに言えば「ハラールビジネスのチャンス」とでも訳せるでしょ…

オーバースペックな教材作りをやめよう

以前、とある学校の通信講座用動画を見ていたら、講師の先生がMacBookを使って授業をしてらっしゃいました。教室の前方にホワイトボードがあり、左側に先生のMacBook画面をプロジェクターで投影するスクリーンがあります。私も現在いくつかの学校で同じよう…

しゃっくりとげっぷ

尾籠な話で恐縮ですが「しゃっくり」と「げっぷ」というものがありまして、いずれも日常的によくある生理現象ですけど、このふたつは明確に違いますよね。「しゃっくり」は主に横隔膜や筋肉の痙攣(けいれん)に伴って声帯から「ヒック」といった音が出る現…

「先生が授業しながら勉強するなんてひどい」をめぐって

先日、Twitterのタイムラインでこんなツイートを見かけました(Twitterから距離を置こうといいつつ、まだ依存してますね)。昔、ある授業の最終回で「私自身も大変勉強になりました。ありがとうございました」と挨拶をしたら、「先生が授業しながら勉強する…

楽をしようとすると鍛えられない

NHK大阪放送局が制作した「かんさい元気印『まだ間に合う筋肉体操』」という番組を見つけました。昨年話題になっていた「みんなで筋肉体操」の中高年版とのことです。これ、関西地方だけでしか放映されていないのかなあ。 www.nhk.or.jpこちらの動画では、中…

留学生と小謡

留学生の通訳クラスで「通訳実践トレーニング」という科目がありまして、私が担当しています。「通訳実践」だから現場に出てどんどん通訳をする……のではなく、通訳を実践するために必要なさまざまな基礎的トレーニングを行うという科目です。だからほんとう…

百貨店の凋落

この連休に友人を家に招くことになったので、ちょいと「よさげ」なワインを一本調達しようと考えました。普段はもうあまりお酒が飲めない身体になってしまったのですが(実際、今年は——といってもまだ十日あまりですが——まだ一度も飲んでいません)、たまの…

あと20年しかない

最近「あと20年しかない」とよく思います。自分の人生があと20年しか残っていないという意味です。知人や友人にそう言うと、「年明け早々、ネガティブなことを……」とか「言霊ってこともあるから、よしてよ」などとたしなめられるのですが、いえ、これはネガ…

ごくごくシンプルな「ワインの選びかた」

年末に都内某所のビストロで忘年会をやったのですが、「ワイン、分からないから選んで~」と言われました。注文した料理を念頭にワインリストを見ながら選ぶ、あるいは「宅飲み」用に選ぶのは楽しいものですが、ワインの知識がないと戸惑っちゃいますよね。…

全方向的に「適度」な整髪料

先日髪を切りにいったら、いつも担当してくださっているスタッフさんが「たぶんお客さんの髪質にぴったりだと思うんですけど」と紹介してくださったのが、これ。ワックスでもジェルでもムースでもない、「ジェルオイル」とでもいうべき全く新しいタイプの整…

スチームが恋しい

ここ数週間来の寒波に耐えかねて、オイルヒーターを買いました。 デロンギ オイルヒーター サーマルカットフィン8枚 【8~10畳用】薄い羽のようなプレートが何枚もついた、デロンギのオイルヒーターです。この形を見ていると、中国の大学の留学生寮にあった「…

日々コウジ中

細君に勧められて読んだ二冊。作者である柴本礼氏の夫・コウジさんはくも膜下出血に襲われ、一命は取り留めたものの、様々な機能不全が現れる「高次脳機能障害」を抱えることに。その発症から現在に至るまでの奮闘と家族のありよう、様々な人々とのつながり…

それは視野の狭い教育観ではないでしょうか

お正月休みに、ネットで検索している途中でこの番組を見つけ、「無料配信中」の惹句に誘われて視聴してみました。「元大阪市市長の橋下徹氏が新党を立ち上げたらどんな政策を提言するのか」という設定でのトーク番組です。https://abema.tv/video/episode/89…

フィンランド語のしくみ

お正月休みに読んだうちの一冊です。白水社から出ている「言葉のしくみ」というシリーズのひとつですが、とても感銘を受けました。 フィンランド語のしくみ《新版》 (言葉のしくみ)「言葉のしくみ」とは、要するに「文法」のことなのですが、この本はできる…

ふたたび、キャッシュレス化をとっとと進めてほしい

先日こんな記事に接しました。ファミリーレストランの「ロイヤルホスト」を運営する会社が作った「キャッシュレス(現金お断り)店」のルポです。www.itmedia.co.jpお店をキャッシュレスにすると、現金の管理や就業後の「レジ締め」などの業務が不用になり、…

やめることを続ける

昨年の一年間、ブログを毎日書くことを続けてきましたが、その一方でやめてしまった、あるいは「やめることを続けてきた」こともいくつかありました。 飲酒 以前は毎日晩酌をして、休肝日などというものに全く縁がなかったのですが、いわゆる「男性版更年期…

続ければ続く

昨年の一月二日に何となく思いついて、はてなブログで一年間毎日文章を書いてみました。qianchong.hatenablog.comそれまではたまに更新する程度で「ほとんど放置」状態だったので、「続くかな?」とあまり自信はなかったのですが、忙しい暮らしの中でもけっ…