インタプリタかなくぎ流

いつか役に立つことがあるかもしれません。

2018-03-01から1ヶ月間の記事一覧

しまじまの旅 たびたびの旅 33 ……飛び込みでバレエを観に行く

「コペンハーゲンの銀座歩行者天国」的なお買い物ストリート「ストロイエ」を歩いていたら、その終点に王立劇場の建物がありました。観光シーズンではないこの時期を狙ってか、市内はあちこちで改修中で、劇場前の広場も大規模に掘り返されていましたが、そ…

しまじまの旅 たびたびの旅 32 ……中国趣味あふれる「花やしき」

コペンハーゲンといえば「ほかを差し置いてそこかよ」とつっこまれそうですが、まず行ってみたかったのがチボリ公園です。だれかが「コペンハーゲンの花やしき」と言っていましたが、なるほど、そんな感じ。適度にチープ感があって、ゆるい雰囲気がたまりま…

しまじまの旅 たびたびの旅 31 ……ついに現金を使わず

ストックホルム中央駅からコペンハーゲン中央駅まで特急列車に乗りました。 六時間以上ある旅程で疲れちゃうので、一等車に。一列三シートでゆったりです。Wi-Fiも使えます。 早朝に出発する列車だったので、駅で軽く食べてから乗ったのですが、なんと朝食の…

しまじまの旅 たびたびの旅 30 ……スーパーの棚にフェティシズムを感じる

むかしもいまも、スーパーマーケットが大好きです。あの見渡す限り野菜や肉や魚や食料品などが並んでいる光景を見ると、アドレナリンが分泌されるのが分かります。書店の大きな本棚を目の前にした時の興奮と通じるものがあります。特に買いたいとか、食べた…

しまじまの旅 たびたびの旅 29 ……ストックホルムのケバブ

タリンクシリヤラインを紹介してくれた留学生とは別の、もうひとりのスウェーデン留学生にも「ストックホルムでおいしい物といったら何ですか?」と聞いてみました。お答えは「サーモンとかミートボールとかですね」……まあ、そうでしょうねえ。それなら日本…

しまじまの旅 たびたびの旅 28 ……庶民的な豪華客船

フィンランドのヘルシンキから、スウェーデンのストックホルムまで、船に乗りました。勤務している学校のスウェーデン人留学生から「楽しいですよ〜。食べ放題のビュッフェが有名なんです」とおすすめされたのです。日本では「食べ放題」の代名詞になっちゃ…

しまじまの旅 たびたびの旅 27 ……ムーミンとムラカミ推し

先般、大学入試センター試験で「ムーミン」を扱った問題が話題になっていました。mainichi.jpヘルシンキでは、当然のようにムーミンがそこここで見られました。テレビアニメもムーミン(かつて日本で作られたものではなく、オリジナルのようです)、お土産も…

しまじまの旅 たびたびの旅 26 ……アルヴァ・アアルト自邸

ヘルシンキを訪れたら、ぜひ行ってみたかったのがアルヴァ・アアルト氏の自邸です。アアルトといえば、フィンランディア・ホールや、イッタラで製品化されているあの「ぐにゃぐにゃフォルム」の花瓶、妻のアイノ・アアルトがデザインしたタンブラーなどが有…

しまじまの旅 たびたびの旅 25 ……ヘルシンキの街角

三月の下旬とはいえ、春はまだ遠い感じのヘルシンキ。日中でも気温は零度前後ですが、不思議にあまり寒く感じません。湿度が低いせいかしら。建物の中はどこもスチームが効いていて、部屋ではTシャツ一枚でも大丈夫なくらい。洗濯物がよく乾く点など含めて、…

しまじまの旅 たびたびの旅 24 ……サーモンとミートボール

フィンランドのヘルシンキ空港はびっくりするくらい日本語を話している方が多くて、空港内のサインシステムにも日本語(あと中国語と韓国語も)がデフォルトで載っていました。人気あるんだなあと思ったら、ほとんどの方がここで乗り換えて欧州各地へ向かう…

通訳者や翻訳者の仕事はなくなりますかと問われて

日本経済新聞のサイトで、こんなニュースに接しました。「翻訳機*1ポケトーク」の話題です。すでにYouTubeにも動画が上がっています。youtu.be 通訳学校の春学期を控えたこの時期、公開講座やセミナーの講師で登壇することがあるのですが、そうしたイベント…

しまじまの旅 たびたびの旅 23 ……スイーツざんまい

十数年来の友人である「tess chang」さん(@smallstudent)と台北市内の喫茶店で再開して、ケーキを食べました。ずっと「小吃」系の食べ物ばかりだったので、かえって新鮮です。 そのあと散歩がてらMRT中山駅周辺の路地をうろうろ。この辺りは何となく「裏原…

築地本願寺の合同墓を見学してきた

昨年、学校の通訳訓練でたまたま使った「築地本願寺」のニュース。youtu.be新設された築地本願寺カフェの「18品の朝ご飯」やブックセンターも気になりましたが、個人的にいちばん興味があったのは「合同墓」です。昨年亡くなったお義父さんですが、葬儀のす…

しまじまの旅 たびたびの旅 22 ……牯嶺街

海外旅行はとにかくフツーの街歩きが楽しいです。まあこれは私が、人の多いところはほんとうに苦手で「人酔い」するからというのもあるんですが、有名な観光地は、往々にして事前に調べて何度も写真で見た光景を確認するだけに終わることが多くて、つまらな…

「ごうつく」さんたちの跋扈する場所

もうひと月以上も前ですが、切り抜いておいた東京新聞の記事です。うちでは家事を分担していて、私は毎日の買い物と炊事、後片付けなどの担当なので、ほぼ毎日のようにスーパーに行っています。だもんで、この記事で筆者氏が紹介されている「中高年男性の買…

しまじまの旅 たびたびの旅 21 ……龍山寺と胡椒餅

春からの仕事にちょっとした不安を抱えていたので、吉凶を占うために龍山寺へ詣でてきました。今回は本格的に「拝拝」しようと思っていたので、まずはお寺の前でお供え物の花を買いました。50元。月下香と蓮花の取り合わせが美しいですね。お線香は無料で1…

バナナ

獅子文六氏の小説『バナナ』を読みました。ブログのコメント欄で知人が紹介してくれたので、さっそく購入して読んでみたところ、これがすごく面白い。文庫本で400頁以上の長編ですが、一気に読み終えてしまいました。 バナナ (ちくま文庫)獅子文六氏といえば…

しまじまの旅 たびたびの旅 20 ……台鐵便當

あちこち寄り道しながら、各駅停車の電車で台北に戻ってきました。これで台湾をぐるっと一周「環島」(沿岸部だけですけど)したことになります。台北駅に着いたのがちょうどお昼前だったので、駅で「台鐵便當」を買い、駅前の植え込みのそばに座って食べま…

漢字が持つビジュアルとしての訴求力

先日、オーストラリアの海岸で132年前の「瓶入り手紙」が見つかったというニュースに接しました。www.afpbb.comこのニュースに関して、後日東京新聞の「筆洗」にこんな論評が載っていました。 瓶の奇跡的な発見にも驚かされるが、同時に感心させられるのは、…

しまじまの旅 たびたびの旅 19 ……臺中國家歌劇院

台中でぜひ行ってみたかったのはここ、近年竣工したばかりの台中国家歌劇院です。あいにくお天気が悪くて写真も暗めですが……。 www.npac-ntt.org casabrutus.com伊東豊雄氏設計の、この建築、巨大な生物の胎内にいるような有機的な曲線が、全体を眺めても、…

見知らぬ人に声をかける

以前Twitterでこういうツイートに接したんですけど、いいですねえ、こういうの。アメリカ人のいきなり話しかけてくる率の高さはものすごく飛行機の座席が隣とかエレベーターの中とかは当たり前で、街を歩いていて「おいお前!」と呼びかけられてなにかと思え…

しまじまの旅 たびたびの旅 18 ……台中の大麵羹と升級聖代

嘉義からまたまた各駅停車を乗り継いで、台中までやってきました。台中の名物といえば何ですか? ……と台中出身の留学生に聞いてみたら「う〜ん、大麵羹っすかね」との回答とおすすめのお店情報を得ていたので、宿に荷物を置いてさっそく食べに行きました(こ…

「言葉の壁をなくす」のならもっと大きな夢を持とうよ

またまた新聞にAI通訳の記事が載っていました。今度は日本経済新聞、それも一面トップ記事です。 www.nikkei.com「同時通訳システム」という文字に興味津々で読んだのですが、翻訳データ蓄積の話がメインで、深層学習で高次の通訳が可能かについては触れられ…

しまじまの旅 たびたびの旅 17 ……嘉義の鶏肉飯

澎湖諸島の馬公から台湾本土の嘉義まで、またプロペラ機に乗りました。嘉義空港はこんな感じでとってもこぢんまりしています。嘉義といえば思い出すのは数年前に日本でも公開された映画『KANO』。街のロータリーには野球選手の像がありました。この像、ゆっ…

自動でディクテーションできちゃった

む〜、いつかはそうなるだろうと思っていましたが、ついにこうなりましたか……。いや、昨晩こんな記事を拝見したのです。note.mu先般Google Documentの「OCRっぷり」がすごい、という話題に接していたので、これはもう早晩、音声から直接文字に、つまり“聽寫…

しまじまの旅 たびたびの旅 16 ……風櫃

宿へ帰るために乗った路線バス、行き先は「風櫃」でした。どこかで聞いた地名だと思ったら、侯孝賢監督の名作『風櫃(ふんくい)の少年(原題:風櫃來的人)』の風櫃です*1。なんとも間抜けなことに、この時点ではじめて風櫃が澎湖の地名であったこと、自分…

SNSだけが世論じゃないですよね

東京新聞朝刊の「こちら特報部」は、毎日朝からどーんと読み応えがあって楽しみなのですが、先日は「裁量労働制」に関する国会論議からSNS上の虚構情報による社会の分断に論をつないでいて、いろいろ考えさせられました。 通常の暮らしの範囲では得られない…

しまじまの旅 たびたびの旅 15 ……澎湖開拓館

馬公の旧市街を散策して、宿へ戻るバスに乗る前に、バスターミナル近くの「澎湖開拓館」を見学してきました。 https://phkt.phhcc.gov.tw/ch/index.jspこの建物は日本統治時代に「澎湖庁長」の公邸として建てられたそうで、大正から昭和期の、和洋折衷式の住…

男子高校生の制服がかわいそう過ぎる

小学校・中学校・高校とすべて制服を着ていました。小学校は白シャツに紺の半ズボン(冬でも半ズボン)。中学校と高校はいずれも黒の「学ラン」です。そこから幾星霜、制服のことなど意識の片隅にも登らぬ日々を過ごしてきましたが、最近東京都中央区銀座に…

しまじまの旅 たびたびの旅 14 ……金瓜米粉と紅新娘魚

澎湖は料理がおいしいです。まあ台湾はどこでもおいしいんですけど、澎湖料理はとりわけ。実は最初に澎湖料理を食べたのは十数年前、高雄でのことでした。仕事のあとの食事会で行ったレストランが高雄の有名な澎湖料理店だったのです。高雄は昔から澎湖との…