インタプリタかなくぎ流

いつか役に立つことがあるかもしれません。

フィンランド語 51 …格変化の練習・その5(複数属格)

一冊目の教科書も最後の章に入って、複数属格を学びました。複数属格は、先に学んだ複数分格から作るのですが、その前に単語の辞書形(単数主格)からいきなり作ってしまう特殊なパターンを確認しました。

● i で終わる外来語……単数主格に en をつける。
bussi(バス)→ bussien
vaari(バー)→ baarien

● us, ys, os, es で終わる単語……単数主格に ten をつける。
mies(男)→ miesten
vihannes(野菜)→ vihannesten

これ以外は複数分格から複数属格を作ります。複数分格の語尾によって、それぞれの複数属格ができ上がります。

● jA を jen に。
vanha(古い)→ vanhoja(複数分格)→ vanhojen
laiva(船)→ laivoja(複数分格)→ laivojen

● iA を ien に。
pitkä(長い)→ pitkiä(複数分格)→ pitkien
pöytä(船)→ pöytiä(複数分格)→ pöytien
※この pöytä の複数属格 pöytien は面白くて、属格なのに「kpt」の変化をさせません。これは「kpt」の変化をさせない複数分格がベースになっているからですね(✗pöydien)。他の単語も同様です。

● itA を iden に。
pimeä(暗い)→ pimeitä(複数分格)→ pimeiden
kahvila(喫茶店)→ kahviloita(複数分格)→ kahviloiden
※ ri で終わる「人」を表す言葉(全て外来語だそうです)の複数分格は ri を reitA にという特殊な変化をするので、複数属格はこの itA → iden パターンになります。
naapuri(隣人)→ naapureita(複数分格)→ naapureiden
lääkäri(医師)→ lääkäreitä(複数分格)→ lääkäreiden

基本的にこの3パターンですが、ひとつ例外があって、それは語幹が「le, ne, re, se, te」で終わる場合だそうです。この場合は複数分格を作らず、語幹に ten をつけて e を消します。
ihminen(人間)→ ihmise(語幹)→ ihmisten
pieni(小さい)→ piene(語幹)→ pienten
※ただし、uusi(新しい)のように語幹が複数あるもの( uuse / uute )は複数分格から複数属格を作ります。
uusi → uuse(語幹)→ uusia(複数分格)→ uusien

これでめでたく単数と複数のすべての格が出揃いました(実際にはまだ具格・共格・欠格というのがあるそうですが、文語など特殊な形だそうで、それはまたずっと後で学ぶようです)。

単数主格(辞書形) kirkko 複数主格 kirkot
単数属格(〜の) kirkon 複数属格 kirkkojen
単数対格(〜を) kirkon 複数対格 kirkot
単数分格(〜を) kirkkoa 複数分格 kirkkoja
単数内格(〜の中で) kirkossa 複数内格 kirkoissa
単数出格(〜の中から) kirkosta 複数出格 kirkoista
単数入格(〜の中へ) kirkkoon 複数入格 kirkkoihin
単数所格(〜の表面で) kirkolla 複数所格 kirkoilla
単数離格(〜の表面から) kirkolta 複数離格 kirkoilta
単数向格(〜の表面へ) kirkolle 複数向格 kirkoille
単数変格(〜になる) kirkoksi 複数変格 kirkoiksi
単数様格(〜として) kirkkona 複数様格 kirkkoina

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Yleensä kirkkojen tornit ovat hyviä maamerkkejä.