インタプリタかなくぎ流

“Might come in handy one day.”

語呂合わせでフィンランド語を覚える

フィンランド語は格変化が激しい言語ですが、変化をさせるためには元の形、つまり辞書形(原形)を知らなければ始まらないので、教室では先生が毎回授業の最後に「みなさん、とにかく単語を覚えてくださいね」とおっしゃいます。それでExcelで整理した単語をQuizletのアプリに入れて、スマホで通勤途中にせっせと覚えているのですが、名詞は比較的スムーズに覚えられるのに、動詞や形容詞、副詞などはなかなか定着してくれません。抽象的な言葉になるほど、なおさら。まあ、当たり前といえば当たり前なのですが。

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https://www.irasutoya.com/2015/06/blog-post_88.html

こういうときは、邪道ではありますが「語呂合わせ」に頼るのもひとつの方法です。むかしむかし、ワインの資格試験のために勉強していたときも、例えばフランスのワイン産地(AOC)とその特徴を覚えるために、たとえば「赤・ロゼ・白・黄、何でもアルボワ」(AOCアルボワは、すべての種類のワイン生産が認められている)みたいな文章にして覚えていました。そういう語呂合わせを集めた受験用の必勝本も出版されているんですよ。

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ワイン受験ゴロ合わせ暗記法 2019

というわけで、フィンランド語で覚えにくい単語は、できる限り語呂合わせというか、何かのイメージに結びつけて頭に刻みつけています。例えば動詞なら、こんなぐあい。

antaa(アンター/あげる):アンタにあげる。
asua(アスア/住む):アスア(明日は)ここに住む。
avata(アバタ/開ける):墓をアバこうと開ける。
häiritä(ハイリタ/〜を邪魔する・〜に迷惑をかける):中にハイリタ(入りた)いとゴネて迷惑をかける。
heiketä(へイケタ/弱まる):壇ノ浦の合戦でヘイケ(平家)の力も弱まる。
istua(イストゥア/座る):イスに座る。
jäädä(ヤーダ/〜に留まる):帰るのはヤーダとここに留まる。
jaksaa(ヤクサー/〜する気力がある):ヤクザと対峙する気力がある。
kantaa(カンター/持つ・運ぶ):重い荷物を“扛(káng…中国語の「肩で担ぐ」)”する。
keskustella(ケスクステッラ/会話する):クスクスと笑いながら会話する。
koettaa(コエッター/〜するのを試みる):課題をコエよう(越えよう)と試みる。
korjata(コルヤタ/修理する):自転車の修理にコル(凝る)。
kulkea(クルケア/歩く・走行する・川が流れる):あっちから歩いてクルケア。
maata(マータ/横たわる):まーたアンタはここに横たわってるわね!
maistua(マイストゥア/味がする):これは甘くてウマイ(美味い)味がする。
nukkua(ヌックア/眠る):ヌクヌクと眠る。
onnistua(オンニストゥア/成功する):成功したのはあの人のおかげとオンニ(恩に)着る。
ottaa(オッター/取る):ここにオッタ(あった)と取る。
pestä(ペスタ/水で洗う・洗濯する・歯を磨く):歯磨きペースト(ペスタ)で歯を磨く。
puuttua(プーットゥア/足りない・欠けている):おやつが足りないと言ってプーッとふくれる。
sulaa(スラー/溶ける):雪や氷がスラーっと溶ける。(苦しい……)
sulkea(スルケア/閉める):スルスルと閉める。
tarjota(タルヨタ/おごる・提供する):これでタル(足る)かな? とごちそうする(おごる)。
tarttua(タルットゥア/〜にくっつく・染み付く):タルタルソースが服に染み付く。
tavata(タバタ/会う):タバタ(田端)で人に会う。
tottua(トットゥア/〜することに慣れている・いつもする):この作業には慣れ「とっと」(博多弁)。
uskoa(ウスコア/信じる):ウス(嘘)を信じる。
vaatia(ヴァーティア/要求する):ヴァーター(バーター)取引を要求する。
valita(ヴァリタ/選ぶ):様々なヴァリエーションの中から選ぶ。
välittää(ヴァリッター/〜気にする):このプラスチックはヴァリ(バリ)が多いと気にする。

……う〜ん、ハッキリ言って「語呂合わせ」と称するのも恥ずかしい限りですが、まあ自分の記憶に残ればよいのです。幸いフィンランド語は、発音については比較的易しい( ä や o や r を除けば、ほとんどローマ字読みで近似の音が出せます)ので、こういう語呂合わせもそれなりに役に立つかなと思います。

もっとも、ワインの資格はこうやって必死で覚えてなんとか合格したのですが、その後はすっかりさっぱり頭の中から消え去ってしまいました。やはり試験突破の方策としては有効でも、本当の知識にはなっていないんですね。フィンランド語の語呂合わせもほどほどにしておいて、もっとフレーズや文章全体で、そして格変化なども意識しながら覚えていきたいです。