インタプリタかなくぎ流

“Might come in handy one day.”

「日本語モード」のその後

先日、中国語圏の留学生と、非中国語圏の留学生とで、日本語の(特に口語の)上達具合にかなり開きが出る、という話題を書いたのですが……。

qianchong.hatenablog.com

そのあと、華人留学生のクラスで通訳訓練を行った際に、あまりにも日本語への訳出がこなれていない(というか、そもそも日本語になっていない方がほとんど)ので、あれこれと訳出のポイントや日本語の語彙や文法の指摘をしたあとでいったん訓練を中断して、上述の話題を話してみました。せっかく高いお金を払って日本に留学しているのに、もったいないんじゃないですか……って。

「正直に申し上げて、みなさんの日本語への訳出は、ふだんから留学生に接している学校関係者なら分かってもらえるかもしれないけれど、通常のビジネスの現場では箸にも棒にもかからないレベルです」と、あえて強い表現で、でもそこはそれ「ハラスメント」にならないようニコヤカに伝えてみたのです。厳しいことを笑顔で伝えるのが、ポイントです。

そうしたら、一部を除いて(まあ教育には「歩留まり」というものがあります)みなさんけっこう真剣に聞いていました。しかも「それは何となく感じていました」という留学生も多かったのは意外でした。今年の四月に一緒に入学してきた「英日クラス」の留学生が、どんどん日本語が流暢になっていくのに比べて自分たちは……と、ご本人たちも内心忸怩たる思いがあったようです。

それで、一部の留学生は「これからはお互い日本語で話そう!」などと燃え上がっていて、さっそく華人留学生どうし日本語で「タバコを吸いに行きましょう」とか言い合っていました(そこからですか)。なかなかいいな、素敵だな〜と思ったのですが、今日になってみたら、みんな怒涛のごとく中国語でしゃべりまくっていました。あああ……。

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https://www.irasutoya.com/2018/07/blog-post_876.html

やはりこういうのは、意志の力でどうこうできるものではなく、仕組みとして日本語を話さざるを得ない環境に追い込まないと無理なのかしら。でも私たちが中国に留学していたときは「日本人同士でもあえて中国語で話す、それが“酷(cool)”だ!」みたいなコンセンサスが成立していたんですから、みなさんだってやればできると思うんですけどね。