インタプリタかなくぎ流

いつか役に立つことがあるかもしれません。

ジムやサウナに見る「がさつ」

「がさつ」という言葉がありますね。言葉や行動や動作が下品で荒っぽいことを形容する言葉で、ネットで検索してみたら「粗末」とか「粗野」という漢字を当てている文章もありましたが、語源辞典には動詞の「がさつく」が形容動詞化した言葉ではないか、とありました。擬音語の「ガサガサ」からもわかるように、なんだかこう繊細さに欠けていて落ち着かない印象を人に与える……といった感じでしょうか。

ネットで検索するとき、「がさつ」のあとにスペースを入れると変換予測の候補が現れますが、Googleでは「がさつ 意味」につづいて「がさつ 女」が表示されました。う~ん、私見では「がさつ」な方は女性よりも男性に多いような気がしますけど、これは世の男性がより「がさつ」に対して冷ややかな目を向けているのか、男性の女性に対する勝手な理想像の押しつけが為せるわざなのか、はたまた世の女性自身が「がさつ」な同性に対してよりシビアなのか……まあ真相はよくわかりませんし、そもそも性別でカテゴライズすること自体が時代遅れですよね。

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https://www.irasutoya.com/2015/10/blog-post_225.html

話を戻しまして、いま私が「朝活」で通っているトレーニングジムには、あちこちに数多くの張り紙や注意書きがされています。そのほとんどはマナー遵守を呼びかけるもので、それ以外にも繰り返し館内アナウンスが入って「マナー・ルールへのご協力とご理解をお願いいたします」と呼びかけられます。なるほど、それだけマナーやルールを守らない方が多いということなんでしょうね。

確かに、マシンを使ったあと備え付けのタオルで汗を拭かない人、スパの浴槽で頭までざぶんと潜っちゃう人、サウナ室の中でひげ剃っちゃう人人、ロッカールームでスマホを使う人(盗撮防止のために使用禁止なんだそうです)……いろいろいらっしゃいます。まさに「がさつ」です。しかもそのどれもが中年男性。いやまあ、スパやサウナは女性エリアに行ったことないから、あちらの様子はわからないですけど。もちろん、それを圧倒的に上回ってマナーを守っている方が多いんですから「世の中そんなもん」かなとは思いますが、中年男性のこの「がさつ」さはどうにも度し難いですねえ。

そういえばこないだ、遅ればせながらParavi(パラビ)でドラマ版の『サ道』を見たんですけど、面白かった一方で何となくリアリティに欠けているなあと思ったのは、出てくる男性キャストがみんな上品すぎるからでした。わはは、ジムやサウナなんかでよく見かける「がさつ」な男性がぜんぜん出てこないんですね。だいたいサウナで全員申し合わせたように股間にタオル巻いてるのも「ありえない」。実際はみなさんもっと「がさつ」です。でもそんなところにリアリティを求めちゃったら、もはやドラマではなくなっちゃうでしょうし、そもそも誰も見たくないです、そんなの。

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