インタプリタかなくぎ流

“Might come in handy one day.”

調べてから聞いてほしい

プロ野球選手のダルビッシュ有氏が、「せめてある程度勉強してからメッセージください」とSNSで発言したことが話題、という記事を読みました。ネットで調べ物をしていた際のことです。この発言はTwitterでなされたもののようですね。
news.nifty.com
なるほど、ダルビッシュ有氏は以前にも「筋トレ」や「ランニング」に関して傾聴すべき意見を述べておられたり、日曜日の報道番組『サンデーモーニング』のスポーツコーナーでレギュラーを務める日本野球界の大御所の、時代錯誤な不見識に対して胸のすくような見解を述べておられたり(詳細は「ぐぐって」ください)と、私は密かにその発言のファンなんですけど、今回も「おっしゃる通り」と快哉を叫びました。

それでTwitterまで元のツイートを見に行ったら、氏のこの主張に「ダルビッシュ有に聞くというのも調べる行為の範疇でしょ」と反論している「からあげ」なるハンドルネームの方がおり、そこに氏が「死ぬまで毎食唐揚げ食べとけ」と返していて、ユーモアというか毒舌の切れ味も鋭いなあと。

いやこれ、自らを大リーグのスター選手に並べるのも大変おこがましいのですが、私もいろいろな方から受ける質問で「せめてある程度勉強したり調べてから聞いてほしいな」と思うことが多いので、少しく共感したことでありました。

例えば先日、某通訳学校で受けた質問は「スピーチの通訳を練習したいんですけど、なにかいい教科書はありませんか」でした。それで私が、今現在入手可能な、有名どころの通訳訓練本をいくつか挙げて「読んでみましたか?」と聞いたら、どれも初耳だというので必死にその書名をメモに取ってらっしゃいました。

まあダルビッシュ有氏のように質問が殺到しているわけでもないので、教えて差し上げるのはまったく構わないのですが、例えばAmazonにでも行って「通訳 中国語」あたりのキーワードで検索をかけてみれば、私が挙げた通訳訓練本はすべて見つかるんですよね。なぜ、まずはそういう発想が出てこないのかなと不思議に思うのです。

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https://www.irasutoya.com/2016/07/blog-post_36.html

実はダルビッシュ有氏のツイートを見に行ったついでに、つらつらと他のツイートも見ていたら(Twitterはこれが怖いです。すぐに大量の時間を費やしちゃう。だから最近はなるべく触れないようにしています)、「翻訳者になりたいのですが、何から始めたら……?」といった質問に行き当たりました。

翻訳者や通訳者というのは、調べ物が7割8割、いや個人的には9割以上のお仕事だと思います。なのに初手からこう聞いている時点であまりこのお仕事には向いていないのではないかと思うのですが、そう申し上げたら初心者に厳しすぎるでしょうか。まあかつて初心者だった私みたいに、書店に行って「通訳」や「翻訳」と名のつく本を片っ端から買ってきて読むみたいな方法も非効率に過ぎる、もうちょっと人に頼ってもいいとは思いますけど。