韓国料理でポピュラーな「チヂミ」は雨の日に焼くのがいいんだそうですね。同僚の韓国人がそう教えてくれました。なんでも、チヂミを焼いている「ジジジ……」という音が雨音に似ているからなんだとか*1。雨の日はゆっくりチヂミでも焼いて、マッコリをちびちび飲むのがなんとも風情があるの、とその同僚は言っていました。うわあ、ちょっくらマッコリ買いに行ってくる!
ふだんからチヂミをよく作ります。これまではネットなどの情報を参考にしながら自分で小麦粉から生地を作っていたんですが、あるとき地下鉄の車内でこんな広告を目にしました。GOSEIさんの「宋家秘伝チヂミ粉」の広告です。
http://www.go-sei.co.jp/whatnew/2445.html
ちょっとちょっと、この「桜エビ入り水菜チヂミ」ってのが、特においしそうじゃありません? というわけで仕事帰りにスーパーに寄ったら、この「チヂミ粉」が売られていました。当然その場で桜エビと水菜も買い込み、早速作ってみたわけです。
おいしいです〜。何度か作ってみましたが、生地を桜エビと水菜の「つなぎ」程度に少なくして焼くのが、必要以上に「ぼてっ」とせず、表面がカリッとするコツみたいです。お好み焼きも大好きですけど、このチヂミも軽い味わいでいいですね。
すっかりチヂミにはまってしまったので、韓国人の同僚に「チヂミにおすすめの具材は?」と聞いてみました。彼女いわく「ズッキーニと玉ねぎをそれぞれ千六本に切って、小さく刻んだイカやタコを入れたもの」だそうです。それ、今度やってみます。
それから、ソウル出身の彼女によると、「チヂミ」というのは韓国南部の言い方で、こうした料理全体の総称としては「ジョン(전)」が標準的だそうです。漢字では「煎」ですよね。中国語も、こうやって少量の油で両面をきつね色になるまで動かさずに焼くことを“煎(jiān)”と言います。こういう「粉もん」は、本当に大好きです。
日本で「チヂミ」という呼称が人口に膾炙した理由は分かりませんが、独立行政法人統計センターが2011年まで公開していた都道府県別本籍地別外国人登録者数における本籍地情報統計によると(2012年からは統計がなくなりました)、在日韓国人の方々の本籍地で一番多いのが南部の「慶尚南道」と「慶尚北道」で、この二道で全体の半数近くを占めています。それでこの地方の言い方である「チヂミ」がいち早く日本でも定着したのかもしれませんね(勝手な想像です。お詳しい方、ぜひご教示ください)。