インタプリタかなくぎ流

“Might come in handy one day.”

イヤーワーム

ふと気がついたら、脳内で特定の音楽がヘビーローテーションしていたってこと、ありませんか? 私はよくあるんですけど、あれには「イヤーワーム(earworm)」という名前がついているそうです。しかも様々な調査で、およそ9割以上の人が日常的に経験していることがわかっているとのこと。

イヤーワーム - Wikipedia

ネットで色々と検索してみると、普段音楽をよく聞く人に多い傾向があるようです。たしかに私もよく音楽を聴きますが、ただよくよく自分を観察してみると、音楽以外がイヤーワームの引き金になっていることも多い。先日はなぜか久保田早紀氏の『異邦人』が脳内で繰り返されていて、その元をたどったら朝に読んだ新聞の記事に「異邦人」という言葉があったからでした。その文字を目にした途端に記憶の引き出しが開いて、音楽が流れ始めるんですね。

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https://www.irasutoya.com/2014/02/blog-post_5766.html

それから、音楽や文字などの「引き金」がなくても起きることがたびたびあって、その時はたいがい自分の「定番イヤーワーム」が脳内に流れています。これも気づいたらその状態になっていることが多く、なぜイヤーワームが「起動」するのかはわからないのです。

もうここ数十年来、定番のイヤーワームになっているのは、なぜかベートーヴェン交響曲第九番、その第三楽章です。ご案内の通り『第九』の第三楽章はとてもゆったりした美しい旋律が特徴なのですが、その主題にあたる旋律がずっと頭の中で鳴り響いているのです。私はあまり器用ではないので、例えば音楽をかけながら仕事をするといった「マルチタスク」が苦手なのですが、なぜかイヤーワームだけは仕事や作業と並行できてしまう。これも不思議な点のひとつです。

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私の場合、このイヤーワームが亢進すると、気づかないうちに歌っていることがあって驚きます。歌うといっても大声を出すわけではないのですが、歯の隙間から細く息を吐きながらメロディを奏でているのです。口笛でもハミングでもない、こういうのはなんと言うのかわかりませんが、とにかく小声で奏でている。なぜなのか、そしてなぜ『第九』の第三楽章なのかは自分でもわかりません。

以前に勤めていた職場で、すでに退職が決まって残務整理をしているときにもこのイヤーワームが出現し、私はその時無意識のうちに歌っていたらしく、同僚から「うるさい!」と一喝されたことがあります。退職が決まって、関係ももうこれっきりと分かったら人はここまで冷たくなるのかと寂しく思うととともに、これまで私のこうした癖にずいぶん我慢してきたんだろうなと申し訳ない気持ちにもなりました。聞こえるか聞こえないかという程度の小声だから、かえって気になるんですね。

イヤーワームを打ち消す方法として、ネットには「5文字程度のアナグラムを作る」というのがありました。なるほど、今度『異邦人』が脳内に鳴り響いたら「包囲陣」とか「印字法」とか「持法院」とかを懸命に考えてみることにします。