インタプリタかなくぎ流

“Might come in handy one day.”

レイパユースト

この夏はフィンランドの田舎をレンタカーで旅行して、よく沿道のスーパーで食材を買い込んでいました。そのときに偶然買って食べたチーズがとてもおいしくて、すっかり気に入ってしまいました。見た目は「焼いたはんぺん」みたいなこのチーズ、名前は「leipäjuusto(レイパユースト)」。フィンランド語で「ieipä」がパン、「juusto」がチーズなので、「パンのようなチーズ」ってことなんでしょうか。おもしろい名前です。

ウィキペディアに「レイパユースト」の項目があって、そこには「噛むと『キュッ、キュッ』と音のするような弾力のある食感が特徴」と書かれていました。たしかにそのとおりの食感で、それも魅力のひとつだと思います。カッテージチーズをギュッと固めて、表面に焼き目をつけたという感じです。

ja.wikipedia.org

レイパユーストは料理の食材というよりお菓子やお茶うけの分類なのでしょうか、フィンランドの湖でカヤック遊びをしたときも、休憩時間にガイドさんがレイパユーストに黄色いベリーのジャムを乗せて出してくれました。レイパユースト自体はなんのクセもなくごくごくほんのりと薄い塩味がするだけなのですが、それが甘いジャムによくあっているような気がしました。

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この黄色いジャムは「lakka hillo(ラッカヒッロ)」といって、クラウドベリー(ホロムイイチゴ)のジャムです。ガイドさんによると、中央フィンランドや南フィンランドではレイパユーストによく合わせるジャムだそうで、そのお話の通り、街の市場などではこの黄色いベリーのジャムが大きなバケツみたいな容器でたくさん売られていました。

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一方このレイパユーストは、フィンランドのスーパーなどではだいたいどこでもパック入りで売られている、いたって安価な食材ですが、要冷蔵であまり日持ちがしないみたい。というわけで、たくさん日本に持って帰りたかったのですが、今回はあきらめました。

それでも東京に戻って、あの味が忘れられず、試みにネットで「レイパユースト 東京」と検索してみると……なんと自宅近くにこのレイパユーストを販売しているお店があるではないですか。さっそく昨日、仕事帰りに寄ってみました。


http://www.lammas.jp/

店頭のショーケースには並んでいなかったのですが、お店の方に聞いてみると「ありますよ」とのこと。冷凍されていますけど、懐かしの(?)レイパユーストです。しかもこのお店には、あのカヤックのガイドさんが供してくれた黄色いクラウドベリーのジャムまで売られていました。輸入品なのでフィランド現地に比べるとかなりお高いですが、せっかくなのでどちらも買い求めて帰ってきました。

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こんなマイナーな食材まで売っているなんて、すごいですね。さすが食に貪欲な、というか、他の国々の方から見ればほとんど「節操がない」と言われそうなくらいクロスオーバーな食生活――朝はご飯に味噌汁、昼はカレー、夜は中華といったような――を展開する日本ならではです。