インタプリタかなくぎ流

“Might come in handy one day.”

台湾の「お節介」おじさん

台湾の台北で、丸一日分ぽかっと時間が空いたので、基隆に行ってみることにしました。台北駅から各駅停車で45分ほど、“雨都”の異名を持つ港町基隆は今日も雨でした。そういえば以前に来たときも春の雨が降っていましたねえ。お目当ては奠済宮というお廟近くの屋台街で「栄養三明治(栄養サンドイッチ)」を食べることだったんですけど、この日は何かのお祭りだったみたいで、紙銭がぼんぼん焚かれ、電飾きらめく祭壇では大音量で祈りが捧げられていました。屋台も全部お休み。

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ちなみに「栄養三明治」はこういうのです。台湾のB級グルメのなかでも、個人的には一二を争うおいしい食べ物です。

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仕方がないので、街をぶらぶら歩きながら基隆駅まで戻って、また台北行きの各駅停車に乗り込みました。私たちが乗ったのは基隆から二駅先にある八堵駅行きで、そこで宜蘭方面からやってくる列車に乗り換えて台北へ向かうつもりでした。二駅しか走らない電車なので車内はガラガラなんですけど、座席に座っていると、ホームから見知らぬおじさんが大声の台湾語で何やら怒鳴っています。何だろうなと思ってよく聞いてみると、どうやら「あんたら台北に行くんじゃないのか、この電車は八堵までしか行かないぞ」と言っているみたいでした。

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なるほど、私たちが外国人観光客だと踏んで、わざわざ親切に教えてくださったわけですね。台湾では何も話さなくても外見で外国人、あるいは日本人だと見抜かれてしまうのです(中国語を話すと、たいがい香港人だと思われます)。台湾では(台湾に限りませんが)ときどきこういう「お節介」に遭遇します。若い方はほとんどありませんけど、おじさんとかおばさんとか、一定年齢以上の方からはけっこう話しかけられる。それもこちらが中国語や台湾語を解するかどうかなどお構いなしに。私はこういうのが本当に大好きです。

私も東京のターミナル駅などで、地図やスマホを片手に困惑気味な外国人旅行者を見つけると、時間の許す限り声をかけるようにしているんですけど、それはこうした台湾などの「お節介」おじさん・おばさんたちに触発されてのことです。今日は今日とて、バスの中で珍しく外国人だと思われなかったらしく、そばに座っていたおばあさんから「このバスは“台大醫院(台湾大学病院)”に行きますかね」と聞かれたので「あと三駅ほどです」などとお教えしました。

こういう「見知らぬ同士が気軽に声を掛け合う」ってのは、東京で暮らしているとかなりの勇気が必要なんですけど、異国ではなぜか簡単にできちゃうんですよね。そういうのもまた旅の楽しみかもしれません。