インタプリタかなくぎ流

“Might come in handy one day.”

しまじまの旅 たびたびの旅 104 ……街とのご縁と電動キックボード

エストニアのタリンには都合二泊三日の予定で出かけたのですが、急遽予定を早めて二日目にヘルシンキへ戻ってきてしまいました。タリンの旧市街があまりにも観光客でごった返していて、ちょっと意気消沈しちゃったからですが、思えば今回のタリン行きはいろいろとアクシデントがありました。

まずはヘルシンキ・タリン間のフェリーチケットを予約しておいたのですが、たまたま日曜の早朝だったために民泊の宿からフェリー埠頭まで公共交通機関がなく、タクシーもまったく通らず、時間的には間に合うので歩いて行こうとしたら何とまったく逆方向に歩いていて、そのあとバスを乗り継いで最後は走ったものの、あと数分というところで間に合いませんでした。旅先の方向感覚だけは自信があったんですけど……老いたかしら。

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それで仕方なく次の便を改めて購入してタリンに向かうも、今度はタリンの民宿の鍵が受け取れず、電話やメールで家主に連絡を取るもつながらず。実際には家主はロンドンにいて、友人に鍵を託していたそうですが、その友人が昼寝をしていて寝過ごしたらしい。結局受け取り場所に指定されたカフェで、予定時間を大幅に遅れて受け取ることができました。Airbnbはずいぶん利用していますが、この種のトラブルは初めてです。

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それでも気を取り直してサウナと「青銅の兵士」だけは行きましたが、帰りに土砂降りの大雨に見舞われ、Airbnbの部屋も「看板に大いに偽りあり」でかなり不便な部屋でした。それでますます意気消沈して「ヘルシンキに帰ろうかな」と。まあひとことで言うと「この街とはちょっとご縁がなかった」という感じです。そういうことって、旅をしていると時々あるんですよね。トラブル(というほどのものでもないけど)が重なるときは重なる。こういう時は無理して旅を進めないのが吉、というのが私の経験則です。

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それで、予約していたタリンクライン(タリン→ヘルシンキ)のフェリーチケットを、窓口で交渉して一日早い便に変えてもらい、首尾よくヘルシンキへ戻ってきました。ヘルシンキのフェリーターミナルからトラムや地下鉄を乗り継いで民泊の宿まで帰ってもよかったのですが、ちょっと疲れていたのであまり歩きたくなくて、これを機会にシェアサイクルならぬシェア電動キックボードを試してみることにしました。

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ヘルシンキタンペレの街では、時々電動キックボードに乗った人がすーっと走り抜けていって「ああこれが噂の……」と気になっていたのです。いくつかの会社が競っているようですが、そのうちのひとつ「TIER」のウェブサイトで説明を読んで、スマホにアプリをダウンロードし、ユーザー登録とクレジットカードの登録をフェリーの中で済ませました。ちなみにウェブサイトの説明は英語があるんですけど、アプリ自体はフィンランド語しかないみたいです。

www.tier.app
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それでもアプリは感覚的に使えるのでとても簡単です。起動したら、自分の近くにあるキックボードが地図上に出てくるので、一番近いもののところまで行ってNo.を確認して「ALOITA MATKA(旅を始める)」を押します。「下り坂では20 km/hを超えないように」との注意が出て、もう一度「ALOITA MATKA」を押すと、「AJO ALKAA…(運転開始)」となって音が鳴り、乗ることができるようになります。

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片足をキックボードに載せて、もう片足で軽く地面を蹴って、右手のところにあるレバーを親指で下げると走り出します。ブレーキは左手。かなりスピードを出すこともできて便利ですが、安全を考えると、これはやっぱり自転車用のヘルメットがあった方がよさそうです(ウェブサイトではヘルメットをかぶるよう推奨されています)。

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使い終わったら、道端に「乗り捨て」ます。スマホアプリの「PÄÄTÄ MATKA(旅を終える)」を押すと、「他人の邪魔にならないところに停めてね」という注意が出て、もう一度押すと「KIITOS(ありがとう)」とともに使用時間と料金が表示され、「VARMIS(確認)」を押して終了です。

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料金は5分間乗って1.95ユーロ(約230円)ですから、けっこう割高です。ヘルシンキの中心部だけなら公共交通機関のデイチケット8ユーロで一日中何度でも乗り放題なんですから。ただ、ちょっとした移動、例えばトラムやバスの停留所から行きたい場所までの往復などにはとても便利だと思いました。乗り終わったらすぐにメールで領収書が届きます。

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ただし、キックボード自体にサスペンション機能がほとんどないので、ヘルシンキの中心部に多い古い石畳の道路などはかなりガタガタして乗りにくいです。あと、やっぱり少々危険な乗り物であることには変わりない(自分自身もですけど、人にぶつかったりする危険も)ので、気をつけて乗った方がいいですね。

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それから、中国でもシェア自転車が一時期社会問題化しましたが、ヘルシンキの街もあちこちにこのキックボードが乗り捨てられていて、ちょっとこの光景はどうなのかなとは思いました(そこまで無秩序な感じもしませんでしたが)。タンペレの街ではバッテリーが切れたとおぼしきキックボードが延々「ピッ、ピッ……」と警報音を発している光景も目にして、あれも近隣の住民には迷惑じゃないかなと思ったり。便利といえば便利ですけど、日本では規制が強くてたぶん普及は無理……でしょうね。