インタプリタかなくぎ流

“Might come in handy one day.”

しまじまの旅 たびたびの旅 95 ……お隣さんちでお茶とベリー摘み

民泊のおかみさんが「お隣に日本と関係の深い人がいるから、会いに行かない?」と誘ってくれました。いちばん近くの「お隣」といっても1kmくらい離れたところにあるお宅です。私の車におかみさんも載せて、二人で向かいました。

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これまた素敵なお宅です。農家なのかと思ったら、もちろん畑も作っているけれど、芸術家でもあるとのことで、庭(といっても広大な原野です)には無数の彫刻作品が点在していました。いずれも周囲の自然の樹や石などを使った独創的な作品です。この方はかなり高名な芸術家のようで、日本や中国の芸術イベントにもたびたび出品されているんだそうです。それで「日本と関係が深い」んですね。

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お宅に招いてもらって、コーヒーとおやつを頂きました。甘い菓子パンと、甘くない菓子パンの代表格「karjalanpiirakka(カレリアパイ)」です。この一見「あわび」にも似た形の「karjalanpiirakka」は、フィンランドのいずれのパン屋さんにも、いえ、スーパーにだって必ず売られている定番です。お茶の時間にはフィンランド語と英語を「ちゃんぽん」でいろいろなお話をしました。まだまだ文章がきちんと成り立たないけれど、語彙力があればある程度まで何とかなるという気もしました。旅行中も頑張って単語を覚えようと思います。

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そしてまた、フィンランド人はみんな英語が達者というわけではなく、ある程度の年齢以上の方はけっこう苦労されているご様子だということもわかりました(若い方々はほとんどネイティブスピーカーと同じ程度のようですが)。

そのあと、広大な庭を案内してもらいながら、道端で「ベリー摘み」をしました。フィンランドでは誰もがベリーを摘んでいいと聞いていたんですが、本当にできる機会があるとは思いもよりませんでした。民泊のおかみさんに感謝です。やっぱり旅は都会より田舎のほうが私は好きだなあ。というか、歳を取ったせいか好きになったというのが正解ですか。

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若いときに一度憧れて、日本の農村で同じような暮らしを志したことがあるんですけど、もろもろの事情があり、田舎の閉鎖的なところにも失望して、五年ほどで東京に舞い戻りました。今からまたできる気はしないし(特に日本では)、フィンランドの田舎だって住んでみればそれ相応に「もろもろの事情」はあるのでしょうけど、こうした農村の暮らしは本当に静かで、そして豊かだなと思います。

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そしてもちろん、こちらのお宅も、そして民泊でおじゃましているお宅も、いずれもかなり裕福な層であることはまちがいありません。これがフィンランドの農村の平均的な暮らしではないでしょう、きっと。民泊だって、自宅に加えて住まいにさらに余裕があるからこそできるわけですし。それでも、古い家を手入れしながら、周囲の環境をいつくしむように住んでらっしゃる様子を目にして、少なからず心動かされてしまったこともまた確かなのです。