インタプリタかなくぎ流

“Might come in handy one day.”

体罰が日常的に行われた時代があった

台湾のネット書店で購入したアニメーション映画『幸福路上』のDVDを観ました。台湾の近現代史を背景にしたストーリーもさることながら、画面の隅々にちりばめられた様々な細かい描写のリアリティに「ああ、この雰囲気!」と身もだえするような懐かしさを感じました。

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幸福路上 - 電影DVD - | 誠品網路書店

その一方で、当然のことながら私がまったく知らない世界も描かれており、それはそれでとても興味深かったです。例えば小学校の授業風景。先生が長い棒を持って黒板を叩き「静かにしなさい!」などと怒鳴っています。職場で会う台湾留学生のみなさんに聞いてみると、子供の頃は当たり前に見られた風景だそうです。中国の留学生も「同じです」と言っていました。

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この長い棒は、時に体罰にも用いられたそうです。児童に、掌を上にして差し出させ、その掌を棒でピシャッと叩くのだそうです。なるほど、そういう光景を他の台湾映画でも見たような気がします。掌は皮が厚いので、多少強く叩いてもそれほどダメージはないという配慮もあるんだそうですが、それでも暴力は暴力ですよね。もちろん現在では行われていないそうです。社会通念的にもこうしたハラスメントは許されない時代になりましたし、親御さんたちだって黙っていないですよね。

留学生のみなさんからは「日本でも同じでしたか」と聞かれたんですけど、私の記憶している限り、長い棒を持ってパシパシ……というのはなかったですね。でも中学校の時は女性の先生が「ビンタ」をしてましたと言ったら、驚いていました。棒という道具すら介さない直接的な暴力ですもんね。確かにアレは異様でした。しかもその先生は、生徒を一列に並べて、端から順番にパンパンパンパン……とビンタを喰らわせていたのです。もう40年も前の話ですが、現在なら大問題になっていますよね。時の流れを感じます。そういう意味では、はるかにいい時代になりました。

『幸福路上』には、罰として廊下に立たせるというシーンも出てきます。これも現在では行われていないんじゃないかと思って留学生に聞いてみたら、「ひょっとしたら今でもやってるかも」と言っていました。

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そういえば最近観た台湾ドラマで、こちらは高校での描写でしたが、罰としてカバンを頭上に高く掲げ、膝を曲げた苦しい姿勢で長時間立たせる……というシーンが出てきました。あれがコメディドラマならではの誇張した表現なのか、それとも実際に行われていることなのかは判別がつきませんでしたが、ひょっとするとまだ「健在」なのかもしれません。