インタプリタかなくぎ流

“Might come in handy one day.”

脳卒中とタバコの関係

受動喫煙対策を強化する「改正健康増進法」の一部がこの七月から施行されます。この改正法は、例えば小規模飲食店内での喫煙が依然認められるなど「ダメダメ」な点も多いのですが、それでも一歩前進したことはよかったと思っています。この法改正によって、学校や病院や行政機関などの敷地内は原則禁煙になります。うちの学校でもこの改正に合わせて、キャンパス内にいくつもあった喫煙所が一つに集約されることになりました。

キャンパス内で若い学生さんが多く喫煙所に集って煙をくゆらせているのを見るたび、なんともいたたまれない気持ちになります。なんでまたタバコのような百害あって一利なしのもので、あたら若くて健康な身体と精神を損ない続けているのかと。個人の自由だ、大きなお世話だと思われるかもしれませんが、若いときの喫煙は私みたいな中高年になったときに大きなツケとなって戻ってきます。

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https://www.irasutoya.com/2014/08/blog-post_557.html

細君は二年前に脳卒中のひとつである「くも膜下出血」を発症し、奇跡的に生還しました。その際の経緯を文章にまとめて、公益社団法人日本脳卒中協会脳卒中体験記に応募したところ、入選になりました。先日その文章が載った小冊子が送られてきたのですが、細君の文章もさることながら、そのほかのみなさんの体験記ひとつひとつに打たれました。様々な疾患の中でも、一気にすべての身体の自由(物理的なものから精神的なものまですべて)を奪い、大きな影響をあたえる脳卒中脳出血脳梗塞など)の重大さや激烈さに、あらためて身のすくむ思いがしたのです。
www.jsa-web.org

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タバコの害については様々な研究結果が出ていますが、私が一番怖いと思っているのはこの「脳卒中」との関係です。例えばこちらにある国立がんセンターの研究でも……

・喫煙者は、非喫煙者にくらべ、男性で1.3倍、女性で2.0倍、脳卒中になりやすい。
・たばことクモ膜下出血の関係は強く、本数が増えるほどリスクが高くなる。
・男性では、たばこによってラクナ梗塞や大血管脳梗塞のリスクも上昇する。
脳卒中にならないためには、「たばこを吸わない」が原則。

……という報告がなされています。
epi.ncc.go.jp

タバコを吸い続けているけど高齢になっても元気だと主張している養老孟司氏のような人物もいますが、それはたまたま運がよかっただけでしょう。様々な研究結果を一切無視して、そんな僥倖を一般化するようなおよそ非科学的な態度の科学者(しかもお年寄り)に、若い人は決してたぶらかされてはいけません。

上記の「脳卒中後の私の人生」という小冊子は、日本脳卒中協会に申し込めば送料だけの負担で送ってもらえます。ぜひご一読をおすすめします。人生観が変わることうけあいです。
www.jsa-web.org