フィンランド語、まだまだ細々と学び続けています。動詞の過去形を一通り学び終えたので、先生から「ここいらで動詞の現在形と過去形を復習してみましょう」と促されました。
動詞の人称変化
フィンランド語の動詞は「人称変化」をします。つまり1・2・3人称とその複数、合計6つに変化するということですね。さらに現在形と過去形があるので、都合12種類に変化することになります。さらにさらに否定形もあるので結局24種類になるのですが、過去形の否定形には過去分詞を使い、これがさらに現在完了や過去完了へと発展していくことになるそうです(過去分詞は来週以降くわしく学ぶ予定です)。
例えば「opettaa(教える)」を例に取れば……
人称 | 現在形肯定 | 現在形否定 | 過去形肯定 | 過去形否定 |
Minä(私) | opetan | en opeta | opetin | en opettanut |
Sinä(あなた) | opetat | et opeta | opetit | et opettanut |
Hän(彼・彼女) | opettaa | ei opeta | opetti | ei opettanut |
Me(私たち) | opetamme | emme opeta | opetimme | emme opettaneet |
Te(あなたたち/あなたさま=敬称) | opetatte | ette opeta | opetitte | ette opettaneet |
He(彼ら・彼女ら) | opettavat | eivät opeta | opettivat | eivät opettaneet |
ちなみに未来形はなく、現在形を使って、文の中に未来を表す語彙があれば未来形と考えます(これは中国語と同じですね)。
動詞のタイプと活用
フィンランド語の動詞には「タイプ」が6つあり、それぞれのタイプに従って語幹を求め、さらに人称変化させて人称語尾をつけます。
1.VAタイプ
2.DAタイプ
3.ATA、OTA、UTAタイプ
4.STA、LA、NA、RAタイプ
5.ITAタイプ
6.ETAタイプ
動詞のkpt交替(子音階梯交替)
フィンランド語の動詞が活用するとき、子音の k、p、t があれば発音しやすいように変化します。先生が「日本語にも実はありますよね。例えば『谷(tani)』が複合語になって『ムーミン谷(muumin-dani)』のように、t → d という変化をするでしょう」とおっしゃって「おお、確かにそうだ」と思いました。
より滑らかに自然に発音できるよう、ネイティブスピーカーは無意識のうちにこれができちゃうんですね。ところが外国人である我々はこれを一つ一つ意識して覚えて変化させていかなければならない。でもこれは日本語を学んでいる留学生が最初困惑する「一本(ippon)、二本(nihon)、三本(sanbon)」なども同じですね。私たちは意識することなく言い分けていますが、留学生から「なぜこんなに複雑なの?」と問われて、改めて「そういえばそうだ」と気づくのです。
動詞の過去形
フィンランド語の動詞を過去形にするときは、目印として「i」か「si」がつき、さらに「母音交替」と呼ばれる発音の調整が行われます。これは以前に一度自分でプリントにまとめました。
① kpt の変化(子音交替)がある。
②目印は主に「i」だが、一部に「si」もある。
③三人称単数は語幹のまま。
■「si」がつく過去形の語幹
1.AtA、otA、utA タイプ …… 最後の「tA」を取って「si」。
2.tAA(子母母 tAA、ltAA、rtAA)タイプ …… 最後の「tAA」を取って「si」。
3.ntAA タイプ …… 「a + ntaa」の場合「i」、「それ以外 + ntAA」の場合「si」。
★例外「tuntea(知る)」は最後の「tea」を取って「si」。
■「i」がつく過去形の語幹
1.o、u、ö、y + i タイプ …… 変化なし。
2.e、ä、i + i タイプ ……「e、ä、i」が消える。
3.aa、uo、yö、yy、ie など二重母音 + i タイプ …… 前にある「a、u、y、i」などが消える。
4.oi、ui + i タイプ …… 後ろにある「i」が消える。(現在形=過去形)
5.a + i タイプ …… 三音節以上、または二音節で最初に出てくる母音が「o」か「u」の場合「a」が消える。それ以外の場合「ai」が「oi」になる。
★例外「käydä(訪れる)」は語幹が「kävi」に。
……う〜ん、やはり徹底して動詞を覚えないと、使い物にはならないようです。動詞の原形をきちんと知っていなければ、こうした変化もさせようがないのですから。