インタプリタかなくぎ流

“Might come in handy one day.”

ファミマのパスタサラダをシェイクする留学生

今日の学校のお昼休みに、華人留学生数名が、教室で何やらプラスチックの箱のようなものをシャカシャカと音を立てて振っていました。「何ですか、それ?」と聞いてみると「ファミマのパスタサラダです」とのお答え。このパスタサラダは彼らの中でちょっとした流行らしいです。

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蒸し鶏のパスタサラダ |商品情報|ファミリーマート

このサラダにはドレッシングがついているのですが、華人留学生諸君はパッケージを開けてこのドレッシングを投入したのち蓋を閉め、パスタと具材とドレッシングがよく混ざるようにシャカシャカ振っていたというわけです。

「それがそのパスタサラダの正式な食べ方なんですか」と聞いたら「自分で考えました」だって。なるほど、中国語圏の“拌面(和えそば)”系は、牛肉乾麵にしろ炸醬麵にしろ、全体をしっかり混ぜて食べますよね。それに倣って日本のコンビニのパスタサラダも当然のごとくしっかり混ぜて食べていたというわけです。しかも蓋がついているんだから箸などで混ぜず、直接シャカシャカやっちゃえというこの合理主義。さすがは徹底したリアリズムが信条の華人……と唸りました。

私はあまりコンビニのお弁当を買わないので確かなことは分かりませんが、日本人がこのパスタサラダを食べる場合は、たぶん添付のドレッシングを上から全体にかけて、多少「混ぜ混ぜ」しつつ食べ進めるんじゃないかと思います。そもそも日本人ってこういう「初手から全部混ぜちゃう」ってのは少々苦手ではないですかね? でも最近は「和えそば」「混ぜそば」系の食べ物も多いですから、特にお若い方は全く抵抗がないかしら。チョップドサラダみたいなのもあるし、逆におしゃれな感じですよね。

でも私くらいの年代より上の日本人は、けっこうこういう食べ物に抵抗がある方も多いかもしれません。ビビンパにしても、本場では全体をよく混ぜ、混ぜれば混ぜるほどおいしいと言われ、確かにその通りで味のハーモニーが楽しくて、私もいまではそうやって食べますけど、最初はちょっと慣れませんでした。何というか見た目があまり麗しくないですし、初手から味を均一化してしまったら,食べ進める楽しみがなくなってしまうような気がして。

カレーもインド料理店の店員さん(たぶんインドかネパールの方)に「よく混ぜて食べてくださいね」と言われて、最初は何となく抵抗がありました。カレーとご飯を少しずつ「混ぜ混ぜ」しながら食べるのが好きだったんです。大昔に見たお芝居のセリフ(たぶん転形劇場だったと思うんですけど,記憶が定かではありません)に「カレーを食べ終わって、ぼそっと一口ほど残った白いご飯がうまいんだよなあ」みたいなのがあって、大いに共感した覚えがあります。

同僚の韓国人は夫が日本育ちの韓国人で、子どもの頃はカレーを混ぜないで食べていたそうです。ところが帰省したか何かの折に韓国の祖母の家に行った際カレーが出て、おばあさんが全部をしっかり混ぜてくれちゃって大泣きしたとか。わはは、こういう食文化の違いは面白いですねえ。そして、日本に留学してもパスタサラダを自分の文化に則ってシャカシャカしちゃう華人留学生に感動した次第です。

ちなみにシャカシャカしている最中のパスタサラダは見た目的にちょっと「アレ」ですが、蓋を開けてみるとなかなか美味しそうでした。明日のお昼はマネしてやってみたいと思います。