インタプリタかなくぎ流

“Might come in handy one day.”

セレクトショップにおける言葉の経済性

週一回、東京から横浜まで電車に乗って、フィンランド語の講座に通っています。わざわざ横浜まで通うのはたまたま都心に私のレベルに合ったクラスが開講されていないからですが、行き帰りの30分ほどの車内で予習や復習ができるので、通うのもそんなに苦にはなりません。

教室は駅ビルに入っているカルチャーセンターで開かれていて、授業が終わった後、同じ駅ビルのお店をひやかして帰るのが楽しいです。この駅ビルには「ユナイテッドアローズ」「ナノユニバース」「ビームス」の「御三家」が入っているのです。もっともこれらのお店で服を買うことはまずなくて、結局近くのビックカメラの上にある「ユニクロ」に行っちゃうんですけど。

しかしなんですね、セレクトショップがお好きな方には怒られるかもしれませんが、こういうお店の服って、その品質の割にはお高くありません? いえ、私はそんな「目利き」じゃないので確かなことは言えないのですが、これからの時期に重宝するTシャツなど、セレクトショップでは8000円などという値札がついています。でも同じようなTシャツは、例えばユニクロの「UniqloU」シリーズだったらたった1000円でもとてもお値打ちです。

www.uniqlo.com

材質とか縫製に違いがあるのかもしれませんし、ファストファッションの製品の多くが開発途上国の低賃金労働に支えられている現実もあるので手放しにユニクロを押すのは気が引けるのですが、どう比較しても8倍の差があるのは解せません。比較して……そう、私は御三家の服も買ったことがあるんですが、けっこう高価なのに着てみるとそれほど高品質でもなくて、すぐ「へなへな」に型崩れしたりするものも多いんですよね。

それに御三家って、バーゲンセールの時期になると同じ服が半額とか6割引とか7割引とかになるものも多いじゃないですか。まあそれが期末のクリアランスセールってもんなんですけど、じゃああの定価はいったい何だったのかと思いません? 値引き交渉したらぐわっと値段を下げてくるペルシャの絨毯屋さんかと。

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https://www.irasutoya.com/2017/11/t_67.html

あんまり「disる」のもはしたないのですが、あともうひとつだけ、御三家で苦手なのは店員さんの言葉遣いです。前にも書いたことがありますが、「いらっしゃいませ」がユナイテッドアローズは「しゃっせー」、ビームスにいたっては「せっ」で、言葉の経済性を究めまくりです。これ、例外的な方はもちろんいらっしゃるものの、私は複数の店舗で「観察」した結果、ほぼ同じような傾向があるのを確かめました。社風みたいなものかしら。でも私はあれを店内のあちこちで聞かされるたびに購買意欲がみるみる減退していくのを感じます。

まあセレクトショップというのは、というかブランドというものは、お店全体で作り出すある種の世界観を価値にして売っているところがありますから、それに納得して高くても購入する消費者がいるのは、それはそれで構わないのかも知れません。でもあの「しゃっせー」や「せっ」は明らかにそういう高級な世界観を毀損しているんじゃないかと思うんです。きちっと「いらっしゃいませ」と言った方が高級感が出るんじゃないかな。きちっと言わないのがカッコいいという価値観なのかな。

qianchong.hatenablog.com