インタプリタかなくぎ流

“Might come in handy one day.”

容赦なく追い込める

先日ジムでパーソナルトレーニングを受けていたら、トレーナーさんが面白いことをおっしゃっていました。「お客さん(私のこと)だから追い込めるんですよ」。ここのジムは予約不要で、行ったときにたまたま空いているトレーナーさんが指導してくださる(カルテがあってトレーニング内容は引き継がれる)んですけど、周囲にいた他のトレーナーさんたちも「そうそう」とおっしゃっていて、ちょっと驚きました。

どゆこと? と聞いてみると、私はいちおう一所懸命に、というか必死にトレーニングについてくるので、それじゃあということでトレーナーとしても負荷をかけやすいということらしい。つまり指導や指示をしたタスクに真面目に取り組んでくれるから、こっちもやりがいがあるということらしいのです。

確かに、私はもともとかなり非力な人間で、毎回のトレーニングは文字通り青息吐息の状態です。たった一時間のトレーニングなのに、終わる頃には自他共に認める「へろへろ」状態になっていて、階段を上がる際にも足がもつれる始末(ジムは地下一階にあります)。「這々の体」とはまさにこのことです。上半身を集中して鍛えた日など、帰りの電車で腕が上がらず、吊り革がつかめないこともあります。もう一方の手で肘を支えて押し上げ、ようやくつかめるような状態。

でもトレーナーさんはプロなので、そういう私の状態を見極めながら、常に体力や筋力の上限ぎりぎりのところを狙って負荷をかけてくるのが上手です。楽なところに留まってお茶を濁すのではなく、もうちょっと頑張ればさらに体力や筋力がつくというその「いっぱいいっぱい」ちょい手前のところに毎回追い込まれるのです。

ところがお客さんによってはそこまで頑張れない、あるいはそこまで求めていない方もいる。そうなるとトレーナーさんとしても無理矢理押しつけるわけにはいかず「ほどほどのところでいいですよ」と負荷を下げざるを得ない。ホントはそれでは体力も筋力もつきにくいんだけど……と内心忸怩たるものがあるらしいんですね。だけど私にはそんな気遣いはいらないので「安心して容赦なく追い込める」、つまりは指導しやすいと。

この話を聞いて、いやもうこれは語学教師の心境と全く同じじゃないかと、ある種の感動さえ覚えました。語学も一種の身体能力で、筋トレみたいなもの。そして容赦なく追い込める生徒さんにはこちらも燃えるし、そういう生徒さんは上達も速いです。ジムのトレーナーさんたちからは毎回いろいろな気づきをもらっていますが、今回もイイ話、いただきました。どっかの授業で使おうっと。

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https://www.irasutoya.com/2015/01/blog-post_965.html