インタプリタかなくぎ流

いつか役に立つことがあるかもしれません。

「くっついていればいいじゃん」的な行動原理が実に興味深い

世界各国から集まっている留学生の立ち居振る舞いを見ていると、それぞれの民族性とかお国柄とか、あるいは世代の差のようなものが垣間見えて、とても面白いです。

新学期が始まったこの時期は、学校の教務から様々な書類の提出を求められ、中には例えば保険証とか外国人登録証のコピーを貼ってくださいみたいなものもあります。私たちも例えば証券口座を開くときなど身分証明書のコピーを提出みたいなのを求められますが、いまはほとんどがネット上で手続きでき、スキャナでスキャンした、あるいはスマホで撮影した証明書の画像をブラウザ上で添付、というのが一般的です。

でも学校現場ではまだまだそこまで「進化」していなくて、紙のコピーを証明書の大きさにハサミでチョキチョキ切って、糊づけ……というパターンが多いです。何とかならないのかなと思いますが、まあそれはさておき、先日はその糊づけの方法が面白いなと思いました。私たち日本人(と一般化はできないかもしれませんが)はこういう時たいがい、添付しようとする紙片の裏全面に糊を塗って張りますよね。あるいは四隅にぐるっと糊を塗る(私はこれ)。

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https://www.irasutoya.com/2013/03/blog-post_2552.html
https://www.irasutoya.com/2014/07/blog-post_477.html

でも留学生のみなさんは、洋の東西を問わず、紙片の裏の真ん中一点にちょんと糊をつけて、あるいはせいぜい真ん中にぐるぐるっと糊をつけて、書類に貼り付けるのです。だもんで、中には糊づけが弱くて証明書のコピーがはがれてしまい、私たちが再度糊づけをしてあげたりします。

なるほど、証明書のコピーを添付、ってんだから、要は台紙にくっついていればいい。糊が一点だけでもくっつくことはくっつくんだから、それ以上は「過剰」なんですね。実に合理的というか、リアリスティックというか、省エネというか。私など、後からはがれたらどうしよう的心配が先に立って糊を四隅に塗るのですが、それとは全く違う行動原理の人たちがいるわけです。

いえ、どちらが正しいとか、ましてや、だから日本人の労働生産性が低いんだなどというご大層なことを申し上げたいわけではありません。ただ面白いな、自分の考えがスタンダードではないんだなと改めて思うのでした。